Sunは、IBMがLinuxデスクトップに全面的に移行する意志を固めるのならば、Sunが「経験」から得た恩恵を施すと申し出た。
Sunのソフトウェア部門エグゼクティブバイスプレジデント、Jonathan Schwartzは21日(米国時間)付けのメモのなかで、同社はおそらく今後半年以内に、社内で利用するPCのデスクトップ環境をMicrosoftのものからLinuxに完全に移行すると堅く決意しており、IBMが同じ道を進むのを手伝う用意がある、と述べている。
「我々は2005年を待たずに、全社的にMicrosoft製品抜きのデスクトップ環境に移行する。2004年末までに--もしかすると、今夏までに移行を完了しているかも知れない」(Schwartz)
Schwartzは、「IBMのデスクトップの選択肢に関する、Sam Palmisanoへの無料アドバイス」("Free advice for Sam Palmisano on IBM's desktop options")と題したこのメモのなかで、IBMが社内のデスクトップパソコンをLinuxに完全に移行しようとしていることを示すメモが今年になって流出したことに言及している。IBMのメモが外部に流出した際、IBMの広報はメモの内容を否定した。
流出した問題のメモは、IBMの最高情報責任者(CIO)Bob Greenbergが記したもので、そのなかには、同社会長のPalmisanoが「同社内のIT部門および全従業員に、2005年末までにデスクトップパソコンをLinux搭載機に変更するよう指示した」ことが記されていた。
しかしIBMは後にこの内容を否定してメモを撤回した。IBMの広報担当、Trink Guarinoは、同社は単にデスクトップでのLinux利用を評価するだけだと主張した。「2005年までに全従業員のPCはおろか、その大半をLinux搭載機に切り替えるというような計画は、IBMにはない」(Guarino)
SunのSchwartzは、IBMがLinuxの再販を拒否し、またLinuxを使用する同社顧客への法的保護に消極的であることを非難している。Schwartzは、こうしたIBMの振る舞いに混乱させられ、IBMのLinux戦略全体に失望したと述べている。「最も失望したのは、IBMが本気でLinuxにコミットしていないように見えることだ。IBMは本当にデスクトップを移行するのか、それともしないのか? おそらく私は、彼らのLinux戦略を理解していないだけなのだろう」
Schwartzは、IBMがLinux搭載デスクトップに移行しやすくなるよう、Sunが昨夏リリースしたJava Desktop SystemをIBMに販売することを申し出た。「我々は、IBMの全従業員にデスクトップを--家庭からデスクトップを利用する権利もつけて--1人あたり50ドルで提供できる。これを、Sunの正式な見積り価格と考えてもらって構わない。ただし、この値段で売るのは、大量購入する気がある場合に限る」(Schwartz)
Sunの英国法人の責任者であるLeslie Stretchも、Microsoft製品抜きのデスクトップへの完全移行に対するSchwartzの取り組みを支持し、同英国法人ではすでに、この目標を達成していると主張している。
なお、IBMからのコメントはまだ得られていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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