米Sun Microsystemsのソフトウェア部門の最高幹部が、米Microsoftが先に下した、Javaソフトウェアを採用した古いソフトウェア製品を廃止するという決定を批判した。また、Sun独自のデスクトップソフトウェアを大幅に値下げすることも発表した。
Sunのエグゼクティブバイスプレジデント、Jonathan Schwartzは、顧客に宛てた公開書簡のなかで、MicrosoftによるWindows 98などの旧製品の配布中止は、顧客を新しいソフトウェアに無理やりアップグレードさせようとする、意図的な試みだと批判した。
「市場を圧倒的に支配する企業は、顧客側の優先順位が見えなくなり、すでにウイルスやセキュリティ欠陥に頭を悩ませている顧客に余計なソフトウェアの移行を強要してしまう、という教訓だ」と、Schwartzは18日(米国時間)に公開した書簡に記している。
Schwartzはこのチャンスを利用して、現在Microsoft製品を利用しているユーザー向けに、Javaを使用したSun独自のLinuxデスクトップソフトウェアを宣伝している。「Sun Microsystemsは、Microsoftが販売している全デスクトップソフトウェアに匹敵するソフトウェアを、Microsoftの見積価格の50%で提供する」と、Schwartzは声明のなかで述べている。
Schwartzはこの書簡の中で、Sunが旧製品の配布中止を「強制した」とするMicrosoftの主張に異議を唱えている。
Microsoftは、Javaバーチャルマシンを使用するWindows製品の配布に関して、2001年1月にSunと合意した和解契約により、いくつかの製品を廃止すると同社のダウンロードサイトに記していた。Javaバーチャルマシンは、SunのJava言語で記述されたプログラムの稼動に必要なソフトウェア。
廃止が決まった製品のなかには、Windows 98やOutlook 2000、SQL Server 7などの人気パッケージも含まれている。
Microsoftに対するSunの長年の訴訟で問題となったのは、Microsoftが独自のJavaソフトウェアを配布したことだ。Sunはこの訴訟で、Microsoftに対して独自のWindows用Javaバーチャルマシンの配布を禁じることに成功した。両社は2001年に和解に達し、Microsoftはこの合意により、Microsoft製Javaバーチャルマシンを含む製品の出荷を2004年1月までに中止することになった。この期限は今年10月に、2004年9月まで延長されている。
MicrosoftはJavaに依存している製品を、これほど早く廃止する必要はなかった、とSchwartzは主張している。「SunとMicrosoftの合意では、顧客は新しいプラットフォームに穏やかに移行できるようになっている」(Schwartz)
一方Microsoftは今月、CNET News.comに対して、旧製品の配布は中止するが、製品のサポートまで中止するわけではないと述べていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」