米Microsoftは米国時間2月3日、Windows XP Service Pack 1の修正版「1a」をリリースした。米Sun MicrosystemsのJava搭載を義務付けた米連邦地裁の仮処分命令に基づいて修正行ったものである。
MicrosoftがWindows XP Service Pack 1をリリースしたのは昨年9月。今回の修正版はこれからMicrosoft版JVM(Java Virtual Machine)を取り除いたものになる。おりしも同日、Microsoftは控訴裁判所から、「控訴裁判所が支持するまでは地裁の仮処分命令を猶予する」という判決を得ている。しかしMicrosoftは今後も「1a」の提供を継続し、自社のJVMは搭載しないという意向を示している。
またMicrosoftは地裁判事の命令発効日から90日以内に、SunのJRE(Java Runtime Environment)をダウンロードできる環境を提供する予定である(XPユーザーは、Windows Updateを使ってJREをダウンロードできるようになる)。
さらにMicrosoftは地裁命令の発効日から120日以内に、パソコンメーカーやボリュームライセンスを結んでいる企業ユーザーに対して、CD-ROMなどのメディアを通じてSunのJREを配布する。Microsoftはこれについて「仮処分命令では、パソコンメーカーや大口契約者がJREを使わなければならないとは定めていない。使うか使わないかは彼らの自由」と説明する。
Microsoftはこの6月にも、Windows XP Service Pack 1bをリリースする予定である。これにはJREを搭載する。「つまり、このWindows XP SP 1bと、昨年9月にリリースしたWindows XP SP1の違いは、MicrosoftのJVMとSunのJREの違いということになる」(Microsoft)。さらに同社は2003年後半にWindows XP Service Pack 2をリリースする予定で、ここでもJREを搭載する計画という。
「我が社のJavaを搭載しないのは独占禁止法に違反する」としてSunがMicrosoftを提訴したこの係争では、地裁がMicrosoft製Javaの搭載を禁止し、SunのJRE搭載を義務付ける仮処分命令を出した。そして地裁は今年1月、その執行日を120日以内にすると決定した。これがWindows XP SP 1aリリースに至った経緯である。
Microsoftは今後の計画について次のように説明する。「控訴審の結果次第では今後、 LonghornなどのWindowsの後継製品にSunのJRE搭載を搭載していくことになる。その場合、Windows 2000(Service Pack 4)などのWindowsアップデートにもMicrosoftのJVMは搭載しない」(Microsoft)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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