ベルリン発--米Sun Microsystemsが欧州に、企業が自社のRFID(Radio Frequency Identification)システムをテストできる施設をオープンする。
Sunは、過熱するRFIDタグ論争に一石を投じるべく、同社の欧州製造工場があるスコットランドのリンリスゴーに、RFIDの試験センターを設立する予定だ。同センターで欧州の企業は、自社の無線タグIDシステムのテストを行い、規格やプライバシー法に準拠しているかを確認することができる。
今回のSunの発表は、5日(現地時間)に当地で開催された、同社初の欧州でのユーザーカンファレンスのなかで行われた。同日に行われたデモンストレーションでは、Sunの最高経営責任者(CEO)Scott McNealyが、買い物籠に入ったRFIDタグがついた商品をレジで精算するという一幕もあった。
RFID試験センターは2004年2月にオープンする予定で、これは米国の施設に次ぐもの。Sunは、RFIDタグによって小売業者や製造業者のサプライチェーンでは莫大なコスト削減が可能になるとの立場を取ってきた。同社によると、欧州に設立予定の同センター では、企業が商品にタグを組み込み、バックエンドシステムに情報を統合し、それら の情報をサプライチェーンでつながるパートナー企業と共有できるよう設計されるという。
Sunは、万引き対策に頭を抱えるメーカー各社が蒙る被害の大きさを考えると、バーコードに代えてRFIDタグを採用する動きは止まりそうもないという。。今年カミソリの刃にRFIDタグを組み込み、商品の追跡を行った米Gilletteでは、年間約3000万ドルに上る盗難の被害に遭っているという。
英国では、Marks & SpencerとTescoが、衣類、CD、DVDなどの商品で、RFIDタグを使ったテストに着手している。
米国ではWal-Mart SoresがRFID技術に30億ドルを投入することを決め、同社 の納入業者上位100社に対して、2005月1月1日までに導入すべき仕様を策定した。Sunが新たに開設するRFIDの試験センターでは、このWal-Martの仕様に準拠しているかどうかを確認するテストができる。
Sunの主任研究者John Gageは、Silicon.comの取材に対し、同センターではプライ バシー法に準拠したテストを行うとしながらも、RFIDの情報が他の目的で再利用され ないことを消費者に保証するには、さらなる研究が必要なことも認めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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