米Sun Microsystemsは、数カ月にわたる交渉の末、ライバルの米IBMが支援するEclipseオープンソースツールプロジェクトへの不参加を決めた。
SunはEclipseへの参加を取りやめたことに加え、自社主催のNetBeans.orgオープンソースJavaツールプロジェクトとEclipseの統合にはこれ以上取り組まないことを、米国時間3日に明らかにした。IBMが2001年に発足させたEclipseオープンソースプロジェクトはIBMの所有になるコンソーシアムで、昨年も複数の開発ツール企業が会員に加わっている。
Sunの開発プラットフォームグループ担当副社長、Rich Greenによると、Javaを作り出したSunはEclipseに関し、両グループの技術的および組織的違いを克服することはNetBeansとEclipseの両プロジェクトの現参加者に悪影響を与えると判断したという。
EclipseとNetBeansはどちらも、異なるJava開発ツールを1つのプログラミングアプリケーションの中で組み合わせるソフトウェアを開発するための、オープンソースプロジェクトだ。この統合が実現すると、たとえば開発者があるツールベンダーのソースコード管理ツールと別のベンダーのコードエディタを組み合わせることが可能になる。
当初は両グループとも、NetBeansを解散する方向で交渉を進めたが、その後すぐに両オープンソースプロジェクトを1つのグループとしてまとめる方向に交渉内容が変わってしまった。Greenによると、両グループを統合すれば理論上は1つの技術を取り囲む一段と大きなコミュニティが誕生することになり、互換性のないコードが2つの異なるプロジェクトから生まれることが絶対になくなると言われていた。
しかし、それぞれのプラグインシステムに加えて基盤のツールプラットフォームも書き直すとなると、両グループに膨大な時間とコストの負担がかかってしまうとGreenは説明する。たとえばSunでは、NetBeansのほかに市販のJava開発ツールを開発しているが、こうしたものをEclipseへ移行するには大幅な書き直しが必要になる。
SunとEclipseが協力体制の確立に失敗したことで、業界の2大オープンソースツールプロジェクトは事実上分裂する。
Greenによると、両グループは最終的には開発者の選択肢を拡大していくことになるという。SunはJava開発ツール間の互換性向上への取り組みを継続するというが、具体的な計画は立てられていないとGreenは述べた。
Greenによると、SunにはEclipseとNetBeansの技術的な違いのほかに、EclipseがIBMに独占されているとの懸念があるという。Eclipseは9月に IBMからの独立を目指して会員モデルの再編に着手し、理事会を設置している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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