英国の大手小売りチェーン、Marks & Spencerは今週、在庫情報の精度を高める計画の一環として、英国内のある店舗で、衣類へのRFID(無線認識)タグの添付を試験的に開始した。
RFIDタグは、ハイテク業界がバーコードに代わる技術として売り込みをかける一方で、プライバシー擁護派からの批判にも晒されている。今回の試験では、英国のHigh Wycombe店で販売される男性用のスーツ、シャツ、ネクタイの一部に、このタグを仕込んだIntelligent Labelと呼ばれる使い捨て紙ラベルが取り付けられた。タグは衣類の中には組み込まれず、あくまで衣類の外側に添付される形をとっている。Marks & Spencerによると、試験は4カ月続くという。
TescoやGilletteといった他の小売業者/メーカーは、RFIDタグから送られるデータが、店を出た後も顧客を追跡し監視するために使用される可能性があるとして、プライバシー擁護団体から非難を浴びた。
しかしMarks & Spencerは、試験方法の透明性を確保し、収集されるデータとその使用目的を制限するために、多大な努力を重ねてきたという。
Marks & Spencerの説明では、今回の試験で使用されるタグには各衣類に割り振られた番号しか記録されていない。この番号に関連する情報は、同社の安全なデータベースに保存され、その内容はサイズ、スタイル、色といったものに限られている。また、タグ自体に信号を発する力はなく、同社のスキャナがタグごとに割り振られたIDナンバーを読み取るだけという。
Intelligent Labelは各衣類の価格ラベルの横に付けられており、会計後は切り離して捨てられるように作られている。シャツのようにあらかじめ包装されている製品の場合は、透明な袋にタグが張り付けられている。
「支払い方法の如何を問わず、Intelligent Label上の情報と購入者との間には何の関連性も発生しない」と、Marks & Spencerの広報担当者は述べている。
RFIDタグに反対し猛烈なロビー活動を展開してきた、米国の消費者プライバシー擁護団体Consumers Against Supermarket Privacy Invasion and Numbering(CASPIAN)は、Marks & Spencerのこの試験方法を歓迎している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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