日本オラクルは10月6日、エンタープライズ環境でグリッドコンピューティングが可能となるOracle 10gの日本市場投入にあたって、製品戦略を発表した。Oracle 10gは、先月米国にて開催されたOracle Worldでその構想がすでに発表されていたが、提供開始時期などについては未定とされていた。日本オラクル代表取締役社長の新宅正明氏は、同製品の日本での出荷予定を「2004年1月29日から」としている。
Oracle 9iの出荷開始から2年後の発表となった10gは、「インターネットコンピューティングからエンタープライズグリッドへとキーワードが進化したものだ」と新宅氏はいう。グリッドコンピューティングはOracle Worldでも大きなテーマとされていたもので、コンピュータのリソースをすべてひとつにまとめ、処理能力の必要加減に応じてリソースを割り当てるというもの。新宅氏は、10gでパフォーマンスや運用・管理性が向上したこと、またクラスタリング機能が拡張されたことなどをアピールし、「エンタープライズグリッドの実現に向けて重要な機能となる仮想化、自動化、リソース活用の最大化が10gで提供される」と語る。Oracle 10gには、データベース管理ソフトOracle Database 10g、アプリケーションサーバソフトOracle Application Server 10g、およびシステム統合管理ツールOracle Enterprise Manager 10gが含まれる。
日本オラクル代表取締役社長、新宅正明氏 | |
---|---|
同社では先月10日より、Oracle 10gの導入検討にあたって稼働検証を行うための技術検証施設を開設し、様々なシステム要件に応じた検証を行うとともに、今年1月よりベータプログラムも展開、国内約30団体を含む200社以上の企業や団体にベータ版を提供し、Oracle 10gの機能、性能、安定性などを確認している。また、本日よりパートナーに向けた早期アクセスプログラムを開始、ベータプログラムと同じようにベータ版の配布や技術情報の提供などを行う予定だ。さらに、WebLogic、WebSphere、Tomcatなど、国内の主要なJ2EEアプリケーションパッケージ120製品をOracle Application Server 10g対応へと移行させる、対応パッケージ開発支援プログラムも本日より開始する。
オラクルでは、同社以外のデータベース製品を利用している顧客に対し、同社製品との共存を推進するツールであるOracle Transparent Gatewayを10g出荷後2カ月以内に出荷する予定。同製品のライセンス価格は、187万5000円からとなっている。また、完全にOracle 10gへと移行するためのツールも用意されており、これはOracle 10gの出荷と同時に提供開始される予定。同ツールはOracle Database 10gに無償で同梱される。Oracle Database 10gでは、従来サポートされていたプラットフォームに加え、x86 SolarisやMac OS Xもサポートする予定だ。
なお、現段階ではOracle 10gの価格や競合対策などは発表されていない。新宅氏は、「(価格などは)12月に都内にて開催されるOracle Worldまでに順次発表していく」としている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス