英Reutersが、自社のインスタントメッセージ(IM)サービスを、米MicrosoftのMSN Messengerとリンクさせるための提携を発表する見込みであると、両社の事情に詳しい情報筋が明らかにした。
米国時間9月30日に締結される見通しの、今回の提携に先立ち、ReutersではそのほかのIMプロバイダー各社とも接続に関する提携を進めてきた。Reutersは今月初め、自社のReuters MessengerユーザーとAmerica OnlineのAOL Instant Messenger(AIM)コミュニティとを接続する契約を締結している。また先週も、IBMのLotus事業部との間で同社のSametime IMソフトとReuters Messengerを接続させる提携を結んでいる。
Reutersは、Reuters Messagingを法人クライアントに売り込む手段の1つとして、AOLやMSNなどの大手プロバイダーとの接続に期待を寄せている。AOLとMSNはIMの相互接続問題を巡って激論を戦わせてきた従来からのライバルで、両社と接続契約を結ぶのは、Reutersが初めてとなる。
Reuters Messengerソフトウェアは、Microsoftの大企業向けIMプロジェクトであるLive Communications Server 2003の仮バージョンをベースにした製品であるため、両社の提携は意外なことではない。
情報筋によると、ReutersではMSN Messengerへのアクセスを2004年の第1四半期中には実現させるつもりだという。これは、ReutersがAIMへのアクセスを実現する時期とちょうど重なる。
インスタントメッセージは、ユーザーがテキストメッセージをリアルタイムでやりとりするためのツールとして人気が高まっている。AOL、MSN、およびYahooなどのサービスは、IMソフトを無償で提供し、個人、企業を合わせて数百万人規模のユーザーを獲得している。これらのサービスの中には、他社との差別化を狙ってビデオストリーミング、ファイル転送、オンラインゲームといった機能を内蔵しているものもある。
しかし、これらのサービスは依然として閉じたネットワークの中にあり、相互のコミュニケーションは実現されていない。IMに互換性が欠如している場合、ユーザーが友人とチャットを楽しむには、自分のPCに複数のIMクライアントをダウンロードしなくてはならず、サービスプロバイダーにとってはこれがメリットとなる。このことはIMサービスの繁栄を助ける一方で、早急な互換性実現の必要性を弱めてしまった。
AOL、MSN、Yahooはすべて、コンシューマー向けIMサービスの公開にはビジネス的メリットがない、とのコメントを各社幹部が正式に出している。ただ、企業へのIM販売が従来の無償サービスから収益を得る手段の1つになるとの点でも、各社の思惑は一致している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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