カリフォルニア州サンフランシスコ発-- 米Sun Microsystemsは、コンピューティングリソースのグループを管理する自社のN1システムを、DaimlerChryslerやCingular Wirelessをはじめとする約60社の顧客が導入していることを発表した。
N1は、Sunの押し進めるホリスティックなコンピューティング戦略にとって非常に重要な要素である。同社のホリスティックなコンピューティング戦略では、個々のハードやソフトウェアなどの部品ではなく、コンピュータ利用に関わる部品全てを統合したものに重点を置いている。N1は、同社が新しく発表したJava Systemソフトウェアファミリーの1つで、コンピューティングリソースを一カ所に集め、別々のコンピュータシステムを使って処理するよりも、効率よく作業を分担できるように設計されている。
実際にN1を利用する顧客を獲得することは、Sunにとって重要になる。N1で打ち出したビジョンをきちんと動作する製品へと落とし込む作業の進展ぶりを示し、また実際に現場で何が本当に必要とされているのかを見つけ出せるからだ。Sunは、新たに契約を交わした顧客企業の名を、現在開催中のSunNetworkカンファレンスにおいて発表した。
Sunはこれまでに、CenterRun、Terraspring、Pirus Networksなどの規模の小さな企業を買収している。これらの企業が開発した技術を利用することで、N1をより速やかに構築し、現在米Hewlett-Packard(HP)や米IBMがそれぞれ進めている「ユーティリティーコンピューティング」プロジェクトに、競争力の点で後れをとらないようにするためだ。
Sunでは、今後さらに別の企業を買収する可能性も検討している。「これはすごいと思える技術、これは興味深いというものには、それで何であれ、常に目を光らせている。今後も手許にあるものと、買収して手に入れた技術とを統合し続けていくだろう」と、N1およびアベイラビリティ製品のマーケティング担当シニアディレクター、Yael Zhengは述べている。
Zhengによると、これらの顧客の大半は、Sunのブレードサーバに付属として提供されたN1の初期バージョンを利用しているという。この製品はTerraspringのソフトウェアをベースにしたものだ。
一方で、VeriSign、Kaiser、Staples、Gapなどの十数社の顧客は、CenterRunのソフトウェアを利用している。
その他の顧客は、ブレード版より一段と幅広いハードウェアをサポートするN1データセンターバージョンの試験版か、もしくはPirusストレージシステムを利用しているという。
このデータセンターバージョンは、Solaris、Windows、およびLinuxを搭載したサーバ上で動作するという。同バージョンは、Cisco Systemsのネットワーキング機器、McDataやBrocadeのストレージネットワークスイッチ、そしてSunのストレージシステムをコントロールすることができる。Sunでは、サポートする機器をさらに増やしていこうとしている、とZhengは述べた。
Sunはまた、N1の保守/営業グループの発表も行った。N1の技術が約束するものを顧客に示すことを目的とするこのグループは、これは数百人体制の「かなり大きい組織」になるとZhengは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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