米SCO Groupが進める、米IBMやLinuxのエンドユーザーに対する法的な攻撃に巻き込まれていない、平穏な会社が1社だけある。米Sun Microsystemsだ。
SCOはこの法廷闘争の中で、IBMが販売し、また多くの企業が利用しているLinuxオペレーティングシステムが、同社の保有するUNIXの一部のコードについての知的所有権を侵害していると主張している。
Sunも米Dell、米Hewlett-Packard(HP)、そしてIBMといったライバル各社と比べれば、かなり控えめながらもLinuxへの取り組みを開始している。ただし、同社では自社版UNIXであるSolarisのサポートを現在も継続している。
Sun の最高経営責任者(CEO)、Scott McNealyは、今週行われたSilicon.comのインタビューに答え、「(訴訟結果を)憶測して話すようなことはしたくないが、しかしSCOが我々の取得したUNIXに関するライセンスを取り消せないということを考えると、とてもワクワクしてしまう」と語った。
「我々は自社のユーザーに保証を与えることができるし、AIX(IBM版UNIX)やLinuxに不安があるなら、Sunのx86(32ビットプロセッサ)版Solarisや、データセンター向けのSolarisを選ぶといい。これらは高速であり、オープンであり、マイナス面は見あたらない」(McNealy)
今週初め、アナリストたちはユーザーがLinux戦略の展開を控えるべきか、恐れず継続すべきかを論じている。
今週英国に出張していたMcNealy氏は、主にJavaを中心とした垂直統合型のコンピューティングアプローチについて説いていた。同氏によると、これで顧客の日常業務が簡略化されるという。
McNealyは、SunのLinux製品と、Linux陣営で最も有名なディストリビューターであるRed Hatの製品との比較もしきりに宣伝した。
「Red Hatはカーネルを提供してくれる。だが、Sunならアプリケーションサーバ、ディレクトリサーバ、ポータルサーバ、統合サーバ、ファイルシステム、クラスタリング、1万5000種類以上のアプリケーション、そしてさらにはソフトウェアの保証まで付いてくる。加えて今度は素晴らしいx86ハードウェアまで用意された」(McNealy)
McNealy氏は、たとえIntelプロセッサを採用してもこのアプローチがSunの強みになると信じている。過去の栄光を取り戻そうと努力する同社にはこの強みが必要だ。
ライバルのDellやIBMが好調を維持する中、カリフォルニア州メンローパークに本社を置く同社は先週第4四半期を公表し、29億8000万ドルの売上高から予想を下回る1200万ドルの損失を計上している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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