米Sun Microsystemsは27日(米国時間)、デスクトップコンピュータ向けに開発したJavaプラットフォームの最新版「Java 2 Platform, Standard Edition(J2SE)ver.1.4.2」を発表した。この新版J2SEは、より迅速なソフトウェア開発を可能にするほか、画面構成もより親しみやすく、プログラムの知識のないユーザーにも使いやすい設計となっている。
今回の変更点のなかでも特に注目すべきは、ボタンやメニューバーなど、Windows XP やLinux用インターフェース「GNOME」の画面を思わせるようなグラフィック要素が使用されている点だ。また新しいコントロールパネルや自動アップデート機能なども追加されており、さらにハードディスクに保存されているファイルのリストを表示するといった操作にも迅速に反応するようになった。
Javaの元々の開発元であるSunは、ごく普通の消費者にも認知され、求められるようなJavaソフトウェアをつくる取り組みの一環として、より使いやすいインターフェースの開発に努めている。6月に行われたJavaOneカンファレンスで、Sunは数百万ドルをかけたブランディング・キャンペーンを展開すると発表し、Javaのロゴやそれが持つ価値を消費者の心に刻み込もうとしている。
J2SE1.4.2をコンピュータの専門家以外のユーザーにもアピールしようというSunの取り組みの端的な例は、今回の新版において、いわゆる「Javaコンソール」を恒常的に表示しない点に見られる。このコンソールは、一部のプログラマーには重宝されているようだが、一般の人には理解できずほとんど使われていない。
またJ2SE1.4.2(開発コード名:Mantis)は、Javaプラットフォームとしては初めてIntelのItaniumプロセッサシリーズをフルサポートする。Intelは30日に、第三世代のItanium(開発コード名:Madison)を発売した。Sunによると、J2SE1.4.2でItaniumをフルサポートしたことで、1.4.1に比べプログラムの動作速度がおよそ20〜30倍も向上したという。
SunはJavaOneカンファレンスで、間もなくJ2SE1.4.2をリリースすることを明らかにしていた。J2SE1.4.2は、大手パソコンメーカーのDell ComputerとHewlett-Packard(HP)が、ラップトップ/デスクトップPCにJavaをバンドルすると発表したことから、その重要性が高まった。また先週、Microsoftに対し、WindowsへのJavaの搭載を義務付ける裁判所の仮処分が覆されたため、Dell、HP両社との契約はSunにとって重要性を増していた。
J2SE1.4.2では、SSE (streaming single-instruction-multiple-data extension)およびSSE2という、Intel製プロセッサが認識可能な2つの特別なコマンドを利用することにより、一部操作のスピードアップを図っている。またSunによると、J2SE1.4.2では1.4.0以来認識されている2400種類以上のバグが修正されているという。
さらに同社の話では、次バージョンのJ2SE1.5(開発コード名:Tiger)では性能が大幅に向上し、「スキン」と呼ばれるカスタマイズ可能なユーザーインターフェースが使えるようになるほか、起動速度も早まるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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