インスタントメッセージ(IM)ソフト会社の米FaceTime Communicationsは米国時間16日、ビジネスでの利用に向けたIMプログラムのセキュリティを高める2つの製品、IM GuardianとIM Directorを発表した。
IM Guardianは、IMやピアツーピア(P2P)、ウェブ会議、VoIP(ボイスオーバーIP)などのアプリケーションによる通信を管理するソフトウェア。管理者はこのソフトを使って、これらの経路からの不要な通信を遮断したり、合法的な企業の利用範囲内の使用に制限したりすることができる。
いっぽうIM Directorは、企業がIM通信に、ログインや会話記録の保存、セキュリティ機能を埋め込めるようにするソフトウェアだ。FaceTimeでは、会話内容の監視や保存が義務づけられている金融サービスなどの産業分野で、すでにこのようなサービスを提供している。
IM Guardianは、職場でのIMとP2Pアプリケーションの利用がますます進んでいる状況に対応する製品である。IMやP2Pアプリケーションは、どちらもコンシューマユーザーの間で莫大な人気を得ているが、セキュリティ保護機能に欠け、また責任の所在が明らかにできないため、企業ではこれらの利用を禁じていた。多くの企業では、KaZaAなどのP2Pサービスも、帯域幅や法律上の問題を理由に禁止されている。
「IMやP2Pアプリケーションの利点を認識する企業が増えるにつれて、ネットワーク管理者が、ネットワーク上でのアプリケーションの振る舞いを把握し、制御できることが重要になってくる」と、FaceTimeの上級製品責任者Rahul Abhyankarは声明のなかで述べている。「アプリケーションが管理されないままでは、後々ネットワーク攻撃のためのトロイの木馬として利用される恐れがある」
IM製品にセキュリティ機能を追加して、企業の情報技術部門を安心させ、IMを企業向けに販売しようとしている企業は多い。米Microsoftや米IBM、米Sun Microsystems、米America Online、米Yahooなどはみな、企業向けIM製品を販売している。
Microsoftなどソフトウェア大手では、IMをVoIPなどの他のリアルタイムサービスを販売する足掛かりと考えている。Microsoftは今夏、Office Real-Time Communications Server 2003を発売する。これは当初は企業向けIMサービスだが、ゆくゆくはVoIPやテレビ会議などの機能を統合するサービスとなる予定だ。
FaceTimeはAOLやMicrosoft、Yahooの企業向けIMサービスに、セキュリティ機能を提供する契約を結んでいる。
なお、FaceTimeでは、今回発表した新製品の価格は明らかにしなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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