米Microsoftが開発中のWindows OSの将来バージョンは、電話などの通信機器との相互運用を視野に入れている。同社会長のBill Gatesが米国時間5月6日、ニューオリンズで開催中のWindows Hardware Engineering Conference(WinHEC)の基調講演で明らかにした。
Gatesによると、将来バージョンでは、パソコンを通じて電話をかけ、音声メッセージは電子メールに変換して読み上げ可能にする。また、電子メールは音声メッセージを届けるためのアプリケーションとして利用できるようになる。「コンピュータと通信機器の組み合わせにより、通話を選別しやすくなる」(Gates)。
Gatesは基調講演で、開発コード名Athensと名付けられたプロトタイプのデモを行った。電話がかかってくると、発信者の写真や電子メールアドレス、発信者との通信履歴がパソコン上に表示される。パソコンの所有者はこの情報を見て、発信者を確認してから電話をとるか、ボイスメールに回すかを選択できる。
電話とパソコンは、Wi-FiやBluetooth技術を利用してワイヤレスネットワークで接続し、1つのデバイスに統合する。Gatesは、サービスの質と電力消費が課題として残されていることを認めている。このアプリケーションはあくまで試作の段階なので、2004年下旬〜2005年初頭にリリース予定のデスクトップ向け次期Windows、Longhornには組み込まないという。
Gatesは、パソコンが新しいアプリケーションを提供するための最も高度なテクノロジーである、という主張を何度も繰り返した。パソコンは通信機器だけでなく、今後ますます、家庭内エンターテインメントをはじめとする家電機器の中枢となるだろう。「その理由の1つは、ストレージ容量の大きさにある。2005年には、ハードディスクの容量は最大500GBとなり、2007年には568GB〜1TB(テラバイト)のパソコンが市場に出回る」(Gates)
またGatesは、将来のWindowsデバイスに「Xeel」という新しいナビゲーションツールを搭載する計画を明らかにした。Xeelは縦にナビゲーションボタンが並んだツールで、ボタンが押されたり4つの方位点のうち1つに傾くと、コマンドを実行する。
米Nvidiaの最高経営責任者(CEO)のJen-Hsun Huangは、Gatesの発表を受けて、「パソコンが多機能になれば、(パソコンの)価格は急落を免れる」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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