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米マイクロソフト、新WebサービスツールでJ2EEと対決へ

2003/08/08 09:56
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 米Microsoftは、大きな負荷にも耐え得るWebサービスアプリケーションの構築を簡易化する新ソフトウェアの開発計画を発表し、競合するJava陣営に打撃を与えようとしている。

 このソフトウェアは、Microsoftの次世代.Net Webサービス製品で、開発コード名「Indigo」と呼ばれている。同社は10月にロサンゼルスで開催される「Professional Developer's Conference」で、この製品に関する詳しい情報を明らかにする見込み。

 Microsoft幹部は、Indigoについての情報をほとんど明らかにしていない。だが、同社の計画に詳しい筋によると、このソフトウェアは米IBMや米Sun Microsystems、米BEA Systems、米Oracleなど、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)標準ベースの製品を販売している企業に真っ向から対抗する製品だという。

 Microsoftは大企業向けのバックエンド・サーバソフトウェア市場に参入している。しかし、株式売買や大規模ウェブサイトの運営など、より複雑なコンピューティングタスクを行なう顧客には、一般的な傾向としてJ2EEベースのシステムの方が依然好まれている。

 Indigoは、MicrosoftのWindowsオペレーティングシステム(OS)と密接にリンクされており、同社の.Net Frameworkアプリケーション構築ツールもIndigoによってアップデートされるはずだ。.Net Frameworkは、Windows上でWebサービスアプリケーションを実行するのに必要なソフトウェアを集めたもの。なお、Webサービスアプリケーションは、異なるシステム間でのデータ共有を実現する。

 Indigoでは、セキュリティの確保や利用中のアプリケーションの管理などに関連する多大なタスクをOSに処理させるため、WindowsベースのWebサービス開発がスピードアップする可能性がある、とMicrosoftの計画に詳しい筋は話している。Indigoには、セキュリティ、信頼性、トランザクションなどに関する、Webサービス標準関連の最新機能が盛り込まれると見られている。

 MicrosoftのツールによってWebサービスアプリケーションの開発が簡単になれば、次のWindowsバージョンLonghornやサーバソフトウェアへの需要が高まるだろう、と同社は期待している。

 開発ツールの提供によってWindows関連製品の売上増を図るのは、Microsoftの常套手段であり、Indigoもおそらくこの戦略を引き継ぐものだろう、とアナリストは言う。

 しかしLonghornは、Microsoft最高経営責任者(CEO)Steve Ballmerが「自社の社運をかけた」製品として位置づけているもので、今までのWindowsのアップデートよりさらに重要度が高い。同社では、Officeパッケージや開発ツール、サーバアプリケーションのLonghornバージョンなど、関連製品を一挙に大量リリースする計画を打ち出している。

 米MicrosoftのServer Platformsグループは、2003会計年度に同社の総収入320億ドルのうち71億ドルを稼ぎ出した。サーバ事業に関する収入は、前年度に比べて16%増加した。しかし、この成長を維持するには、顧客企業に、新たにリリースするWindowsと、より良いWebサービスのインフラを組み合わせて使うことで、Javaよりも費用対効果が高いことを納得してもらう必要がある。

 調査会社Directions on MicrosoftのアナリストGreg DeMichillieは、「Microsoftはサーバ事業について、Windows、Officeに続く第三の収益の柱となると見ている。Webサービスは、このサーバ事業の潜在的可能性を実現へと導くための起点だ」と述べた。

 Microsoftは、Indigoによって企業でのWebサービス導入を促進したいと考えている。それが、関連するサーバアプリケーション、例えば統合ソフトのBiztalkやSQLデータベースサーバ、Exchangeメッセージサーバに至る製品の売上増加につながるからだ、とDeMichillieは語る。

 Indigoに詳しいあるソフトウェア会社の経営幹部は、次のような潜在的な問題点を指摘している。Indigoは、Windows上で動作に合わせてアプリケーションを最適化するあまり、Webサービス業界標準から外れてしまうのではないかと、この人物は憶測している。もし、そうなれば、もともとWebサービスというオープンな業界標準を考えた意味が失われてしまう。

 反対に、Webサービス標準にきちんと準拠していれば、Microsoftの.Netツールで書かれたアプリケーションは、非Microsoft陣営のシステムともデータを交換できる。J2EE陣営では、Webサービスのインターオペラビリティ(相互運用性)と、複数のプロバイダのサーバソフトウェア上でJavaアプリケーションを動作させる能力を、同時に実現している。

 Visual Studio.Net開発ツールは、かなり普及が進んできているため、MicrosoftはそれがJ2EEベースの開発ツールを凌いでいると主張する。だが、肝心の顧客がどちらを好むか、つまりWindows中心のWebサービス戦略を選ぶか、それともOSの違いに依存しないアプローチをとるかは、実際に見てみないとわからないと、調査会社ZapThinkのアナリストRon Schmelzerは述べている。

 Indigoの新技術から恩恵を受けるのは、主にVisual Studio.Netを使うプログラマだろう。Visual Studio.Netとは、Webサービス標準に準拠したソフトウェアをつくるための、Microsoftの開発ツールである。M同社の.NetWebサービスの能力とWindowsを緊密に組み合わせることが、最終的には信頼できるWebサービスのアプリケーション構築を加速させると、アナリストはいう。

 しかし、開発者たちの心を掴もうとする競争は激化しており、BEAやIBMは、ビジネス用アプリケーションをつくる開発者たちに自社のサーバーソフトを選んでもらおうとして、そのためのツールと人間関係作りを、最優先課題に据えている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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