米Microsoftは、同社がデスクトップ市場シェア獲得で成功したバンドル戦略をサーバソフトウェア事業にも適用し、同市場でのシェア拡大にて梃子入れを図る。
同社代表によると、Jupiterというコード名の新サーバソフトウェアバンドルが、6月末に顧客テストに入るという。このバンドルは、顧客が独自のビジネスアプリケーションを構築するための、同社製サーバ製品数種をまとめたもの。Jupiterは、急成長中のインテグレーション用ソフトウェア市場でシェア拡大を狙う、Microsoftの野心的計画の要となる製品だ。
Jupiterでは、BizTalk Server統合ソフトウェア、ビジネス文書の保存・表示を行なうContent Management Server、そしてEコマースウェブサイト構築のためのCommerce Serverの3点が1つのセットになっている。
企業がJupiterソフトウェアを採用すると、たとえば保険金請求プロセスで、複数のバックエンドシステムからデータを選別し、文書を複数の人に送って承認を求める、という作業を自動化することが可能になる。
Jupiterは「.Net」Webサービスソフトウェアと並んで、Microsoftが進める大規模ビジネスシステム市場参入のための重要な武器となるだろう、とアナリストらは言う。この市場は現在、Javaベースの製品を扱う競合企業のほぼ独占状態にある。なお、Webサービスは、ソフトウェアアプリケーション同士のデータ交換をより容易にする標準やプログラミング方法のこと。
Microsoftはこの計画を進めながら、同社Webサービス向けソフトウェアが大規模な計算処理もこなせるだけの頑強さを備えているという認識を広めたい考えだ。
「MicrosoftはWebサービスプロジェクトで、サーバ製品や開発ツールの売上が伸びると期待している。すでに使っているアプリケーション統合技術と同程度のセキュリティや安定性が、Webサービスでも得られるとわかるまでは、もっと大掛かりなWebサービスプロジェクトに同社の製品を使おうとは誰も思わないだろう」とDirections on Microsoftの調査責任者Rob Heimは言う。
「Microsoftの最大の強みは、アーキテクチャと開発モデルに一貫性があり、またソフトウェアがすぐに利用できる点だ。Java世界(の競合企業)ではそうはいかない」とForrester ResearchのアナリストTed Schadlerは述べている。
しかしMicrosoftは、統合ソフト市場への参入が比較的遅れてしまった。15億ドルの規模をもつ統合ソフト市場は、いまやソフトウェア業界で最も競争の激しい分野の1つ。古くからの統合ソフトメーカーのほか、IBMやOracle、BEA Systemsなどといった大手企業が相次いで参入し、競争がますます激しくなっている。
調査会社Gartner Dataquestの2002年市場シェア記録によると、統合ミドルウェア部門のシェア首位はIBMで、統合ソフト専門メーカーのWebMethodsとTibco Softwareがあとに続いている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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