サンフランシスコ発--発表からまだ1年の「Bing」について、Microsoftは明らかに、この改良された検索エンジンサービスが、独り立ちして生計を立てることは期待していない。
しかし、もはや新生児とは言えないBingが親の気を引くには、かわいらしい見た目以上のものが必要になる。Microsoftは、市場シェアのさらなる拡大、そして言うまでもなく、モバイル検索や地図サービスなどの新規分野での継続的な発展を期待している。
comScoreによれば、Bingの1年目に、Microsoftは約8%の市場シェアを12.7%(6月時点)まで増加させることに成功したという。これは大幅なシェア拡大だ。しかし、同社はこれを達成するために、大がかりな宣伝や、Hewlett-Packard(HP)やDellなどから新たに発売されるPCでBingをデフォルト検索エンジンとする高額な提携契約に、多額の資金を費やしている。
シニアバイスプレジデントのSatya Nadella氏は、米国時間7月13日に当地で開催の検索関連のイベントで講演し、「ツールバーに関する契約は、ユーザー獲得に重要な役割を果たした」と認めた。
Nadella氏は、Microsoftは2年目も同程度のシェア獲得が可能だと期待を持たせながらも、それは英雄的な偉業だと述べた。では、わずか1、2ポイントの伸びでは期待はずれなのだろうか。そうではないと、Nadella氏はイベント終了後に筆者に語った。それも成功だ。
明らかにNadella氏は、「少なめに約束し、それ以上の結果を出す」というトーンで話すようにアドバイスされているようだ。
ここで決め手になるのは、Microsoftが重要な契約でGoogleに取って代わることが可能かどうかという点だ。例えばAOLの検索サービスプロバイダー契約だ(この契約は更新時期を迎えており、AOLは複数の選択肢を検討しているという)。
Nadella氏は7月13日のインタビューで、「ぜひ検討してもらいたい」と述べている。
Nadella氏はまた、Microsoftの検索部門が利益を上げるようになる時期については明言を避け、その質問に一番よく答えられるのは、最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏か、検索部門のトップのQi Lu氏だろうと述べた。
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