サンフランシスコ発--米国時間6月7日に開催のWorldwide Developers Conference(WWDC)2010では、公衆Wi-Fiの過負荷でデモが中断したこと以外にも、おかしなところがあった。Appleの開発者を対象としたこのカンファレンスで、同社のコアとなるデスクトップOS「Mac OS X」についての言及が全くなく、いつ次期バージョンが登場するかについてのヒントもなかった点だ。
先週の非公開セッションで、Mac OSの話題が数多く取り上げられた可能性も大いにある。Appleが今後、開発者向けのプレビューを行うこともあり得る。あるいは「iPod」や「iOS」、また最近では「iPad」の時のように、Macのためだけに独立したイベントを開催しようとタイミングを見計らっているのかもしれない。しかし、ここ数年のパターンや、同社のモバイルデバイスやモバイルプラットフォームビジネスの成長を考えると、Mac OS XがWWDCで取り上げられなかったのはやはり気になる。
2009年の今ごろまでには、「Mac OS X 10.6」のプレビューが少なくとも2回公開されていた。最初にプレビューが公開されたのはWWDC 2008だ。WWDC 2009では開発者らはもっと詳しい情報を目にしており、2009年9月にはMac OS X 10.6はユーザーのもとに届いていた。Appleが近年リリースしたいくつかのデスクトップOSには、この「実際のリリースの約1年前にプレビューを発表」というパターンが当てはまる。そうすることのメリットは、新しいOSのために作業する時間が開発者に与えられることだ。同時に、Appleが同テクノロジについて絶えず考え、前進させようとしていることを、簡単にでも世の中に示す機会が得られるというメリットもある。
そこで、「Mac OS X 10.7ではどうなるのか」という疑問が出てくる。Appleは10.7についてヒントを与えることさえなかった。AppleのデスクトップOSのリリースは、平均して18カ月から24カ月間隔で行われている。まだプレビューすら公開されていないとなれば、バージョン10.6と10.7の間隔は24カ月よりも長くなるように思える。ということは、リリース時期は2011年後半だろうか。それとも2012年前半だろうか。
Appleにコメントを求めたが、まだ回答は得られていない。
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