「Mac OS X」の今後--WWDCで触れられなかった理由を考える - (page 3)

文:Erica Ogg(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年06月14日 07時30分

 自社のソフトウェアとハードウェアを発展させ、現状維持を認めないというのは、Appleが得意とするところだ。そして(世界で最も時価総額の高いテクノロジ企業である)同社には、そうし続けるだけのリソースがある。Appleには、高品質のデスクトップコンピューティングエクスペリエンスとすでに認識されているものがあり、そのために同社製品の価格は高くなっている。将来的に、競争で追いつかれるようなら、高い価格設定を正当化するのは難しくなるかもしれない。

 できる限り長い間Mac OSを続けようとするのには、実際的な理由がある。Macが今でも非常に大きな利益を上げていることだ。Appleは前四半期に300万台のMacを販売した。その間、スピードバンプといくつかのマイナーチェンジがあった。Hewlett-Packard(HP)やAcer、Dellなどにはるかに後れを取っているとはいえ、Appleは今も、その利益の大部分をデスクトップコンピュータとノートブックから稼ぎ出している。AppleはPC業界の総売上高の7%を占める程度だが、営業利益では35%をあげている。

 Appleには現在、取り組んでいる仕事がたくさんあり、その中には、iPadとiPhoneという、大きく注目されているカテゴリに属する2つのデバイスもある。本当は発表の準備ができているものがあったのに、単に6月7日のプレゼンテーションはiPadやiPhoneの情報で一杯になって、時間が足りなかっただけかもしれない。しかし、AppleがMac OS Xから目をそらしているという考えを、世界の人々に抱かせたりするのはなぜだろうか。あのプロモーションビデオのうち、少なくとも1つはなくても済んだはずだ。そして開発者や一般の人が熱心な聴衆としてその場にいたのに、なぜそれを無駄にするのだろうか。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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