藤島氏の1日のタイムスケジュールは下の図のようなものだ。
本業であるコーディングに割いている時間が長いことがわかる。
ここにある「Tech Talk」とは、社内の技術講演会のこと。他のプロジェクトの話、プロジェクト以外の技術的な話を聞く貴重な機会だ。将来に向けたアイデアを出すため、目先の仕事以外にも目を向ける必要がある。レベルの高い講演が多いというTech Talkで新しい発想を吸収することができるのだという。
ところで、藤島氏のGoogleへの入社動機は、「優秀な人たちと一緒に世界中の人に向けてソフトウェア開発をしたかったから」だという。実際に入ってみると、Googleの社員は「優秀なだけでなく、人間的にも魅力的な人が多いので、うれしく、驚いた」そうだ。
とくに感銘を受けたのは、「だれが言った意見か、ではなく、その意見に筋がとおっているかどうかで受け入れられる」社風だという。
これにも実例がある。あるとき、Python開発者が送ったEメールに対して、大学を出たばかりの若手エンジニアが噛みついた。しかし、無視されることなく、ちゃんと内容が検討され、議論として発展していったという。肩書きや年齢ではなく、正論であるかどうかが最も重視されるということだ。
また、Googleという会社がエンジニアを尊重、信頼することには感謝もしているという。
エンジニアは社内のすべての情報にアクセスが許されているし、「Googleは良いソフトウェアを開発するために必要なことは何でもやる。泥臭いこともちゃんとやる。それは意外だったが非常に良いことだ」(藤島氏)。
藤島氏がGoogleで働く中で意識するのは、「人にとって良い仲間になれているか」ということ。相手に良い仲間と思ってもらえるうように、「よき仲間たれ」を常に念頭に――結局のところ、こういった考え方はどこの会社にも共通するのではないだろうか。
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