Microsoftの最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmer氏は米国時間6月26日午前、サンフランシスコで開催された同社のBuild開発者カンファレンスに登壇し、このイベントが前回のBuildカンファレンスからわずか8カ月後に行われた点を特に強調した。
同氏が言いたかったのは、Microsoftが最近、「高速リリース」を重視していることだ。同社は、以前は数年かかることが多かった種類のアップデートを数カ月で送り出している。
「それを、われわれのすべての行動における新しい基準と考えてもらって構わない」(Ballmer氏)
Microsoftはまさにそうした方法でポストPC時代に対応している。そうした呼び方を拒んでいる同社は、「PCプラス」時代という言葉を作り出した。しかし26日には、Ballmer氏はその言葉を使うこともなかった。代わりに、手短ではあったが、端末ビジネスでは従来のPCからの「興味深い移行」が起こっていると認めた。
Ballmer氏やほかのMicrosoftの幹部らが、昔のデスクトップやノートPCとはまったく異なる、「Windows 8.1」搭載のさまざまな端末を見せたのはそのためだ。26日にプレビュー版として公開され、2013年後半に最終版が提供されることになっているこのOSアップデートは、8インチ以下の新しい小型タブレットに搭載される予定だ。Ballmer氏は特に、いわゆる「2-in-1」端末をいくつか紹介した。これは、タブレットとノートPCの両方の機能を持つガジェットだ。また幹部らは、Windows 8が、今後発売される「Xbox One」や、「Windows Phone」搭載端末と連携する様子を披露した。
消費者は、Microsoftが常に支配してきた従来のPCとは違った端末を選ぶ傾向にある。同社はそのことを認めながらも、依然として自らをコンピューティングの中心に位置づけようとしている。26日の基調講演の重要なメッセージは、WindowsはMicrosoftの戦略の中心にとどまるが、従来のPCはそうではないということだ。
Ballmer氏は、ホールにいる6000人の開発者と、オンラインで視聴している推定6万人の人々に向けて、次のように語った。「開発者として、皆さんにはたくさんの選択肢があるというのをわれわれは理解している。どうしても何かをやり終える必要があるとき、旅行の計画を立てなければならないとき、仕事を片付ける必要があるとき、そのようなときのために、われわれには地球上で最大規模のプラットフォームがあると考えている。われわれは2013年に、文字通り何億台ものWindows搭載端末を販売する予定だ」
それは、Microsoftにとっては難しい移行だ。同社は過去数年間、この移行を乗り切ろうと試みてきた。歴史的に見て、同社の強みはデスクトップとノートPCの分野から来ている。同社はその優位性を利用して、新しい時代に進もうとしている。それはタブレットとスマートフォンが急成長し、PCの販売数が縮小しつつある時代だ。
しかし、そのモバイルの世界は、Microsoftがこれまで経験してきたよりも、ずっと速く進んでいる。AppleやGoogleなどのライバル企業は、自社のモバイルOSのアップデートを、MicrosoftがWindowsのアップデートで経験したことがないようなスピードで行っている。開発者が頼りにしているのはそのスピードだ。開発者は、自分たちがアプリを作成しているプラットフォームが消費者にとって興味深いものであり続けるということを確認したがっている。
8カ月という短い間隔でBuildカンファレンスを開催したことは、MicrosoftがポストPC時代に適応しようと努力している証拠だ。たとえ同社がそういう呼び方をしていないとしても。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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