Googleは、新しいソーシャルネットワークサービス「Google+」の地位を固めようとする中で、そこでは現実世界の名前を使うよう求めている。しかし、その現実世界は、単純なルールが通用する世界ではなく、もっと複雑なようだ。
公開から2週間たって、急速な勢いで成長するGoogle+は問題に直面している。それは、インターネットによって人々のアイデンティティが地球上の誰にでも伝わりうる情報へと変わってから、一般的になった問題だ。Googleは、Google+とそこで利用されている「Google Profiles」を、仮名の使用や匿名での書き込み、なりすまし行為のないサービスにしようとしている。
Google+に関するGoogleのヘルプページには、「Google Profileは、本人であることが確認された状態で最適に機能するサービスです。これにより、自分が適切なユーザーと交流していることを確認したり、プロフィールを示してほかのユーザーに安心してもらうことができます。そのため、Google Profileでは、日常生活でお使いの名前を使用する必要があります」と書かれている。
ほとんどの人は、自分の運転免許証や学生証に記されている名前で知られており、ソーシャルネットワークの参加時に、その名前を使うことに二の足を踏むことはないだろう。そうしたアプローチには多くのメリットがある。匿名のフォーラムは、荒らしや攻撃、炎上によって、評判がおとしめられてしまうことが多い。一方、実名を使えば、ある程度の責任が持ち込まれる。意見を述べると、自分の評判に関わってくるからだ。
しかし、善し悪しの判断が難しい領域も広い。政治的反体制派は迫害を避けたいと考える可能性がある。ネット上で攻撃を受けたことのある人は、同じ経験をしたくないと思うだろう。また、オンライン上でのやり取りとプライバシーを両立させたいと考える人も多い。
CNBCのインタビューで、当時Googleの最高経営責任者(CEO)だったEric Schmidt氏は「誰かに知られたくないことがあるなら、そもそもそれをするべきではない」とアドバイスしているが、これには実際的な面で一理ある。ただし、それは公開されていないものすべてが悪いという意味ではない。
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