以前の同僚たちは、Decker氏には、戦略的な感覚と、市場におけるYahooのポジションを正しく理解する才能があると話す。44歳、3児の母であるDecker氏は、同じような立場の人々にすれば、ワーキングマザーのお手本のような存在だ。それでも、あふれる知性を威圧的だと感じる人がいないわけではない。「何が必要なのか瞬時に把握し、その意見もほとんど間違っていない、そういう人物だ」とかつての同僚は話す。
Yahooに来て6年になるDecker氏は、以前は投資銀行Donaldson, Lufkin & JenretteでYahooの株式公開を担当していた。同社ではメディア、出版、広告などの株式を扱うエクイティリサーチアナリストを12年間務め、その後はリサーチディレクターに昇進している。その堅実な財務手腕は、今も昔も同僚から絶賛されている。
「同氏はYahoo社内での信頼も厚く、堅実で自制心の強い、穏和な人物として知られていると思う」。こう語るのは、かつてYahooのエンターテインメント部門でゼネラルマネージャーを務め、2005年7月の退職後に医療関連のソーシャルネットワーキングサイトDailyStrength.orgを立ち上げたDoug Hirsch氏である。
しかし、YahooとDecker氏の本当の未来が分かるのは、2007年になってからだろう。Jefferies & Co.のアナリストYoussef Squali氏は、経営の鍵を握る役職をDecker氏がどうこなしていくか、興味深く見守るつもりだと話している。
「Decker氏には経営実績はあまりないが、CFOとしては見事に成功を収めた」とSquali氏は言う。「同氏は一般社員からの広い支持と信頼を確立している。ということは、しばらくの間は『疑わしきは罰せず』の姿勢で見守られるということだ」
Decker氏を新たな役職に任じたYahooは、コンシューマー向けネットワークの付加価値強化に力を入れることになるだろう、というのが内部関係者の意見だ。
また、Yahooの実情に詳しい複数筋の情報では、職務の重複をすべて合理化するような組織再編の実施が予測されている。その対象は、Yahoo社内全体と、サニーベール本社とサンタモニカのメディア部門間であり、Decker氏の持ち味である厳しいコスト管理と歩調を合わせる形で行われるという。
「社員全員の士気を高めるという点でも、競合他社への対応方法を決めるという点においても、Decker氏には困難な課題が待ちかまえている」と語るのは、以前はYahooの製品管理部門ディレクター、現在はカジュアルゲームサイトiWin.comのマーケティング担当バイスプレジデントを務めるMark Hull氏だ。「指揮を執るのがDecker氏、Semel氏のどちらであろうと、これはもう分かり切ったことだ」(Hull氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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