このようにMicrosoftが海外へ触手を伸ばすと米国内やヨーロッパ諸国から非難されることが多い。しかし、グローバリズムの波に乗り遅れまいとするヨルダンやポーランドなどでは、同社の援助を歓迎している。
「われわれはこうした国々に自力でソフトウェア産業を立ち上げる方法を教えている」とMicrosoft公共部門担当シニア・バイスプレジデントのMaggie Wilderotterは語った。
一方、Intelのほうも出荷の遅れが続いてはいるが、2000年に起こったチップのリコール騒ぎやRambus関連の問題に比べればたいした問題ではないとも言える。両社の社員の知的レベルと全体的な競争力をあなどることはもちろんできない。
しかし、大企業病は依然としてそのままだ。確かに、MicrosoftとIntelは、勤勉な社員を抱え、よく組織化されてはいるが、常に三方あるいは四方の敵に対処しなければならない。
「Intelが新しいプロジェクトにより多くの人員を割り当てて開発期間を短縮しようとしていることが、あらゆる面から見てとれる」とRaymond JamesのアナリストAshok Kumarは書いている。「この戦略は、生産性向上の度合いが低減するレベルにまで達してしまっているようだ」(Kumar)
ローマでは、勢力範囲をあまりに拡大しすぎたため、優秀な兵力をもってしても対応できなくなった。紀元後395年、最後の偉大な皇帝Theodosiusが亡くなると、帝国は2人の息子ArcadiusとHonoriusによって分割統治されることになる。
「Honoriusは情熱もなく、才能もなかった。彼はすぐに(正式な)支配を断念した。そして、家禽(かきん)にえさをやることが唯一の日課になってしまう。彼はほどなく皇帝の座を辞し、堅実で巧みな後見人Stilichoにすべてを委ねてしまう」とGibbonは記している。
MicrosoftとIntelは確かに強大である。しかし、Steve Ballmerが鶏にえさをやり始めたら、その終焉も近いかもしれない。
筆者略歴
Michael Kanellos
CNET News.comのエディター。担当分野はハードウェア、科学・調査関連、およびスタートアップ企業など。コーネル大学とカリフォルニア大学ヘイスティング校法律学部を卒業、過去には弁護士や旅行関係のフリーライターとしての経歴も持つ。
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