イリノイ州シカゴ発--AT&Tの最高経営責任者(CEO)Randall Stephenson氏が6月の就任以来、初めて大きな基調講演を行った。同氏によればワイヤレスと携帯電話が新生AT&Tの核心的な技術になるという。
Stephenson氏は米国時間6月19日、当地で開催中のNXTcommトレードショーで講演し、通話をしながら友人や家族にライブビデオフィードを送信できる「AT&T Video Share」サービスを発表した。Stephenson氏はまた、期待の高まるApple製「iPhone」の計画にも言及した。iPhoneとは、音楽プレーヤー「iPod」とスマートフォンの機能を備え、電子メールをはじめとするマルチメディア機能を利用できる携帯端末のこと。AT&TはiPhoneを独占的に取り扱う。
このたび発表された新サービスとiPhoneは、ワイヤレスとモバイルに焦点を当てるAT&Tの戦略の一環として提供される。現在、米国最大の固定電話網および携帯電話網を有する同社はモバイルこそが、新規顧客の開拓、既存顧客の維持、新サービスの成長の鍵を握ると考えている。
Stephenson氏は、「言うまでもなく、今日の業界で起きているトレンドのすべてがワイヤレスと結びついている。ネットワーキング関連の出費のうち、家庭で最も大きい割合を占めるのがワイヤレスサービスだ。どこに行っても使うものなので、出費がかさんだとしても理にかなっている」と語っている。
Stephenson氏によると、同社が戦略上重視しているのは、顧客が購入を待ちきれなくなるような製品を用意することだという。iPhoneはまさにそのような製品だ。iPhoneはすでに異様なほどの期待を集めており、AppleやAT&Tの販売窓口には大量の顧客が押しかけ、どうすれば6月29日の発売日に端末を入手できるのかと問い合わせている。
iPhoneに対する注目は、AT&Tのビジネスにとって追い風になっていると、Stephenson氏は語っている。AT&Tのウェブサイトを通じてiPhoneに興味を示した100万人のうち約40%がAT&Tの加入者ではなかったという。
同氏は、「このことは雄弁に物語っている。業界も耳を傾けるはずだ。iPhoneは状況を一変させると信じている。われわれだけでなく業界全体の状況が変わる」と語っている。
新サービスのVideo Shareは、AT&Tが携帯用サービスをどのようにほかのプラットフォームにまで拡大させる計画なのかを示している。Video Shareでは手初めに、携帯電話加入者が携帯電話を使ってライブビデオを共有できるようになるが、Stephenson氏によると、同サービスはいずれPCやテレビも対応するという。
Video ShareはAT&Tの3G(第3世代)携帯ネットワークに対応しており、当初はジョージア州アトランタ、テキサス州ダラス、および同州サンアントニオで開始される。同社では、これを7月下旬から160カ所の市場に拡大する計画だ。
ビデオ共有の利用料は、1カ月4.99ドルで25分、1カ月9.99ドルで60分になると、同社は述べる。また、1分あたり35セントの従量課金制もオプションで用意される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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