ラスベガス発--Cisco Systemsは、ネットワーク機器のサプライヤーから、企業やサービスプロバイダ、消費者向けに通信や接続用のプラットフォームを提供する企業へと変貌を遂げると、同社の最高経営責任者(CEO)であるJohn Chambers氏が当地で開催中の年次カンファレンスで述べた。
カンファレンスの基調講演や記者会見の席上で、Chambers氏はCiscoの役割や、大企業や中小企業、電話会社、ケーブル事業者、消費者などの顧客に提供する製品が変わっていることを強調した。
同氏によれば、CiscoはインフラストラクチャやIPネットワーク機器を提供するだけの企業から脱却し、顧客が自ら新しいコミュニケーションサービスを提供開始できる製品群を提供するようになるのだという。
「ネットワーク機器屋をやっているのも面白い。ここにはいろいろなチャンスがあった。しかし、この仕事の領域もデータ移送以上のものに拡大しているのだ」と同氏は記者団に述べた。
Ciscoはここ何年もの間、スイッチやルータ機器のベンダーという位置付けから脱却しようと取り組んできた。だが、今も同社の売り上げのほとんどをスイッチやルータなどの機器が占めている。同社は新市場を開拓するために、小さな新興企業だけでなく、LinksysやScientific Atlantaなどの名だたる企業も買収してきた。新技術にフォーカスした成果として、同社はデータネットワーキングから音声通話、テレビ、ホームエンターテインメントなど、通信と結びつくあらゆる要素にIP技術を盛り込んできた。
Ciscoはこれらの新市場を「Advanced Technologies」と呼ぶ。取組対象の選定基準は、5〜7年間のうちに年間10億ドルの売り上げにつながる可能性を秘めているか否かだ。デジタルビデオ、デジタルホーム、セキュリティ、光ネットワーク、ストレージエリアネットワーク、ワイヤレス、小規模企業向けのホステッドサービス、IPテレフォニーなどが既にAdvanced Technologiesに指定されている。
セキュリティやIPテレフォニーがすでに年間10億ドルの売り上げを生み出すなど、Advanced Technologiesの取り組みのほとんどは成功している。Chambers氏をはじめとする同社の幹部らが唯一、不調を認めている分野は光ネットワークだ。しかしChambers氏は、新市場に移行するうえで成功を収めてばかりではむしろ問題かもしれないと述べた。
「Advanced Technologiesのこれまでの成功率は高すぎる。もっと大きな賭けに出るなど、もっとアグレッシブな動きに出るべきだったかと不安になる」(Chambers)
Chambers氏によれば同社は今後、4カ月に1回のペースでAdvanced Technologiesの取組対象を追加していくという。現在のところの有力候補はユニファイドコミュニケーションやテレプレゼンスだと同氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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