総務省の「携帯電話用周波数の利用拡大に関する検討会」は2月3日、総務省に提出する意見書案をまとめた。ソフトバンクBBが要求する800MHz帯の新規割り当てについては、事実上見送る内容となった。総務省は検討会の意見書をもとに割当方針を決定するが、ソフトバンクBBの激しい反発は必至だ。
意見書は、これまでの事業者の答弁や構成者の意見をまとめる形式をとり、検討会としての結論を明確には打ち出していない。しかし800MHz帯については、ソフトバンクBBからの要望があったことを記載したうえで、「ソフトバンクBB以外の新規参入希望者を含めた他の事業者から、800MHz帯は伝搬特性に優れているが、周波数再編の途中で800MHz帯を新規参入希望者に割り当てることは現実的ではなく、新規参入は海外各国と同じように、新しい周波数である1.7GHz帯(FDD方式)又は2GHz帯(TDD方式)で実現すべきとの旨の意見があった」として、800MHz帯の新規割り当てには賛同していない。
検討会には多くの報道陣が詰めかけ、関心の高さをうかがわせた |
800MHz帯は現在NTTドコモとKDDIが利用している帯域。総務省は両社が利用している周波数を集約して再配分する計画で、昨年8月に総務省がまとめた案では両社に30MHzずつ割り当てるとしていた。これに対してソフトバンクBBは、800MHz帯が携帯電話事業に有利な周波数帯であることから「既得権益の保護に当たる」と反発し、昨年10月には総務省を相手取って方針案の実施差し止めを求める訴訟を起こしている(関連記事)。
ソフトバンクBB代表取締役社長の孫正義氏は、「そもそも総務省はどのような基準で構成員を選んだのを明らかにしていない。こういった状態で物事が多数決で決まるのであれば、何のための検討会なのかわからない。出来レースだと思われても仕方ないのではないか」と強い不満を示した。800MHz帯が新規事業者に割り当てられない場合の計画については「そのときの状況を見て、ふさわしい判断をする」と述べるにとどめている。
総務省は検討会が提出した意見をもとに割当方針案の作成に入る。方針案は2005年度前半に公開されると見られ、パブリックコメントを経て免許申請を受け付ける。2006年には周波数の割り当てが行われる見込みだ。
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