YOZANは9月22日、PHS事業のうち音声サービスを11月30日で終了すると発表した。
音声サービスを終了するのは、高速無線通信技術のWiMAXを使ったサービスが、12月に開始できるめどが立ったため。YOZANはPHS事業の大部分を終了させることで経費を圧縮し収支改善に努める。
YOZANは包括的な無線サービスを提供することを目的として、東京通信ネットワーク(TTNet、現在のパワードコム)から2002年8月にPHS事業を買収した。しかしその後、営業損失がかさんだこともありPHS事業を早期終了することで収支を改善するという方針を立てていた。すでに4月には新規受付を停止しており、「将来的にはPHS事業から撤退する」と発表していた。
なお、ボイススポットフォン、テレメトリングサービス、児童見守りサービスの3つについては引き続き音声サービスを継続する。これは契約者への対応と代替サービスを準備する必要があるため。ただし、状況が整い次第順次サービスを終了する予定で、最終的にPHS事業から撤退することになる。
YOZANのPHS事業による累損は100億円。2005年3月期の業績は売上高が56億900万円、経常損失は51億2700万円となっており、そのうちPHS事業による赤字は43億5100万円と、全体の86.0%を占めている。PHSサービス終了後はWiMAX事業部門およびマルチキャスト事業部門に経営資源を集中させ、全体の業績向上を目指す。
同社は今後の業績の見通しとして、2007年3月期に黒字転換し、売上高が77億9500万円、営業利益が4億3400万円、純利益が2億2800万円になるとする。また、2008年3月期には売上高が156億2900万円、営業利益が67億1700万円、純利益が67億1700万円になるとしている。
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