携帯電話大手Vodafoneのドイツ部門は、SkypeなどのVoIP事業者からの通話を2007年7月から遮断する予定である。
Vodafone Germanyで広報を担当するHeiko Witzkeは現地時間13日、この方針を転換する可能性があると述べた。この方針は今週に入り、同社がドイツの電話規制当局に提出した料金表から明らかになっていた。
Witzkeは、本方針の決定理由についてコメントを避けた。だが、同氏は取材に対し、「2007年はまだ先のことなので、今後何があるか分からない」とWitzkeは答えている。
Vodafoneの英国本社の広報担当者によれば、欧州の他地域やアジアで事業を展開する15の部門では、同様の方針は取っていないという。
今回の動きは、携帯電話事業者の一部が、インターネット電話を脅威と見なし始めたことの表れといえる。インターネット電話の加入者数の増加は既に、既存の固定電話事業者の収益に重大な影響を与え始めている。
いわゆるVoIP(Voice over Internet Protocol)サービスは、形態を問わず、あらゆる電話事業者から脅威と見なされている。利用者は無償提供されるソフトウェアを使って、インターネット接続されたデバイス同士で無料通話を楽しんだり、従来の携帯電話や固定電話に格安な料金で電話をかけたりすることができるからだ。
固定電話事業者は、特に米国では、VoIP事業者に対抗する手段をいくつかすでに取り始めている。例えば固定電話事業者は、VoIP電話に番号を付与することに反対したり、VoIPに対する規制を強化するよう州や連邦政府に働きかけてきた。
ルクセンブルクに本社を置くSkypeは、VoIP事業者として最大の規模と知名度を誇る。同社の共同創設者のNiklas Zennstromは現地時間12日、取材陣との電話会議で、Vodafone Germanyの決定について、受け身的な防御策だと述べた。
「(携帯電話の)ネットワークは、大量のトラフィックを扱うのに向いていない」とZennstromは述べ、「携帯電話事業者が素晴らしいアプリケーションを恐れるのはそのためだ」と説明した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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