シカゴ発--当地で開催中の「Supercomm 2005」で、高速無線技術の「WiMax」に再び注目が集まっている。
BellSouthとAT&Tは、WiMaxの採用を検討していることを明らかにした。両社はこの技術を使って、地形や人口密度の問題から従来の電話線経由ではブロードバンドサービスを提供することが実際的でないエリアに進出したいと考えている。
かつては技術オタク向けの未完成の技術として敬遠され、また互換性の問題に悩まされていたWiMaxだが、Supercomm 2005の会場では、この技術が再び大手通信事業者や機器メーカーから注目を集めているのは明らかだ。
「業界の有力企業が製品開発や準拠試験をかなり進め、実際の展開も始まっていることから、2005年はまさにWiMaxテクノロジーが世界の複数の市場で登場する年になると確信している」と、Fujitsu Microelectronics AmericaシニアバイスプレジデントのKeith Hornは述べた。Supercomm 2005では、同社以外にもいくつかの主要ベンダーが、WiMax関連の製品や提携を発表した。
WiMaxの最高到達範囲は30マイルで、理論的には75Mbpsのブロードバンド接続を提供できる。これは、現在利用可能な最速の有線ブロードバンド回線の20倍にあたる。
BellSouthは、Georgia州の数カ所でWiMaxを展開する計画を進めている。一方、AT&Tはまもなく2つの都市で新たに試験展開することを発表するが、同社はこれらの場所でWiMaxを使った新しい音声サービスのテストを行うと、同社関係者は述べている。
「さらにいくつかの大都市圏でWiMaxの展開を考えている。これらのエリアではフルスケールで展開するのがわれわれの目標だ」と、AT&Tのバイスプレジデント、Eric Shepcaroは述べている。
AT&TやBellSouthほど本格的ではないが、SprintでもWiMaxサービスの開発に取り組んでいる。また韓国のほとんどの通信事業者は先ごろ、WiMax関連の業界団体であるWiMax Forumの理事会に参加したが、これも同技術への支持を裏付ける証といえる。
その一方で、長らく待たれていた消費者向けのWiMaxモデムや他の製品も、ようやく市販が始まっている。これらの機器の一部にはFujitsu Microelectronicsが設計したSoC(system-on-a-chip)が採用されている。これらの中には、ネットワーク機器メーカーのAperto(本社:カリフォルニア州ミルピタス)の製品にも含まれるが、同社は米国時間7日、同社の製品が、スペインやオランダ、米国での電話事業者によるWiMax機器のトライアル導入の中心を占めていることを明らかにした。
WiMax機器の大部分は、いまのところ特定の場所に設置されるタイプのものだが、モバイルサービスもまもなく登場するようだ。通信機器大手のNortel Networksが韓国のLGと提携して、モバイル用WiMax機器を開発中だと述べていることから、特にその可能性が高い。
しかし、WiMax製品はいまだに非常に高価だ。たとえば、ApertoのPacketMax製品は今年末に発売の予定だが、モデム1台だけで400〜600ドルもすることになりそうだ。ただし、大半の消費者には高価に思えるWimaxモデムも、以前は2000ドルもしていたため、大半のネットユーザーには文字通り高嶺の花だった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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