サンフランシスコ発--米国時間27日に、携帯電話業界の先駆け的存在であるCraig McCawは、AT&Tの無線部門をCingular Wirelessが獲得したことに触れ、自分の会社をMa Bell(AT&Tの旧称)へ売った1994年当時を振り返った。
McCawは自分の創業した携帯会社を1994年にAT&Tに売却し、AT&Tによる携帯電話事業のきっかけを作った人物だ。
CTIA Wireless IT & Entertainment 2004で講演を行った同氏は、「我々が会社をAT&Tへ売却したとき、私は会社が自分の子どものようなもので、大きくなったから親元を離れるだけだ、といった。親は子供の邪魔になってはいけない」と述べ、聴衆の笑いを誘った。
同氏が開拓した技術が成熟し、世界的なものになった今、McCawは新しいことに挑戦している。同氏が追いかけているのは無線ブロードバンドサービスだ。
McCawは、Clearwireという無線ブロードバンド会社を立ち上げ、米国で同技術を本格的に展開する前に、いくつかの開発途上国で試験的に可能性を探ろうとしている。Clearwireは、現在フロリダ州ジャクソンビルで無線ブロードバンドサービスを提供しているが、同氏は海外の国々が無線ブロードバンドに新たな機会をもたらすかもしれないと語った。
このコメントの2日前に、ClearwireはWiMax技術を使ったブロードバンド・インターネットサービスを開発/展開していくために、Intelと契約を結んでいる。WiMaxは、双方向のブロードバンドインターネットアクセスを提供するという点でWi-Fiに似ている。両者の違いは、WiMaxの技術がブロードバンドをより広範に、数マイルも先まで提供できることだ。
各企業は、将来に必要な機器のコストが下がることを期待して、同技術の標準化を進めている。しかしアナリストらによると、WiMaxネットワークをつかったサービスが登場するのは2006年になるとしている。
McCawは、同社が世界20カ国に機器を販売しているが、このなかにはコートジボアールやバングラデシュのような、必ずしも豊かでない国も含まれていると付け加えた。
同社は、カナダ北部の過疎地域をはじめ、あまりサービスの行き届かない地域にもサービスの範囲を拡げていく。
Clearwireは最終的に米国全体にサービスを拡大したいと思っている。今年8月にジャクソンビルでサービスを開始した同社は、来年末までに、全米20都市とメキシコで無線ブロードバンドサービスを提供する予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」