東京電力は4月1日、高速電力線搬送通信(高速PLC)の実証実験の結果を公開した。既存の放送や通信と干渉する原因になる漏えい電界の強度は、目標値よりも低く抑えることができたという。
高速PLCは既存の電力線を通信回線として利用するシステムで、コンセントを差し込むだけで通信が行える。高周波数帯(2〜30MHz)を使って、最大200Mbpsの通信速度を達成できるという。ただし日本国内では電波法の規制により、現時点で利用することはできない。
東京電力では高速PLCの実用化に向け、2004年3月から1年間、同社の社宅など5カ所において通信時の漏えい電界強度を測定する実験を行ってきた。この結果、漏えい電界強度は目標としていた44dBμV/mよりも低い数値になったという。
同社では今後も、さらにデータを蓄積して実験精度を向上させるため、漏えい電界低減技術に係わる実証試験を続けていく。4月1日から2006年3月31日まで、同社の社宅および技術開発センターの4カ所で実験を行う。集合住宅内の配電線に高速PLCのモデムを接続して漏えい電界強度を測定するほか、漏えい電界の低減実験を行うとしている(下図)。
図.4月1日より行われる実証実験のイメージ図 (東京電力資料より) |
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス