昨年10月、カリフォルニア州の規制当局が、従来の電話会社に適用していた規則をインターネット電話サービスにも適用しようとした際、VoIP(Voice over Internet Protocol)プロバイダらは業界で一致団結したものの、大手電話会社の協力が得られず、苦戦を強いられた。
ところが半年たった今、複数の大手電話会社が、Vonageや8x8などのVoIP事業者の活動を支持している。カリフォルニア州で繰り広げられているこの論争が、同様の施策を検討している他の州から注目されていることが伺える。
VerizonやSBC、Cox Communications、Sprint、Level 3 Communications、AT&T、Nextel Communicationsなどの大手通信企業は、今週カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)に対し、仮にVoIPプロバイダに規制を設けるとしても、最低限の内容に留めるべきだとコメントした。
このコメントの中でVerizonは「現時点で詳細な規制を設けるべきではない」と述べている。
また、Coxは同委員会に対して、「(VoIPに)これといった脅威を感じない」ため規制は不要だとしている。
これは決して意外なことではない。なぜなら、大手電話会社こそVoIPサービスでの収益増をもくろんでいるのだ。こうした企業では、VoIPへの参入に関して必要以上に税金を支払いたいくはなく、規制対応に専従する職員の雇用に余計な手間や費用をかけたくもないと考えている。VoIPプロバイダにも法律を適用すべきだとするCPUCの決定を覆すことを、通信業界がどれだけ重視しているかは、この市場に参入する大手電話会社の数をみればよくわかる。
Cox Communicationsをはじめとする複数の企業は、すでに問題に直面している。Coxはすでに、サンディエゴやオレンジ郡でDigital Phoneサービスを開始している。さらにカリフォルニア州のほかの地域にもサービスを拡大する計画があり、CPUCにもこのことは伝えてある。VoIPへの規制が設けられると、サービスの提供価格が高くなるだけでなく、余計な負担を強いられる可能性も出てくる。
しかし、カリフォルニア州でのVoIP規制が与える影響については、他の州でも懸念が持ち上がっている。たとえば、ニューヨーク州では、今まさにVoIP業界への規則を実施しようとしているところだ。カリフォルニア州での規制が進めば、さまざまな検討段階にある他の20以上の州でも、独自のVoIP規制に弾みがつくことになりかねない。さまざまな州の多様な規制が複雑に組み合わさることになれば、業界の成長を妨げることになると、規制に反対する者たちは口をそろえて主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス