サンノゼ発--Intelの幹部によると、WiMaxという呼び名で知られる、新しい広域対応のワイヤレスブロードバンド技術が、高速のインターネットアクセス回線を家庭へ導入する際の、いわゆる「ラストマイル」問題に対する解決策をもたらす見込みがあるという。ただし、一般に普及するにはまだ数年先のことになりそうだ。
Intelのエグゼクティブ・バイスプレジデント、Sean Maloneyは21日(米国時間)、カリフォルニア州サンノゼで開催されたWCA(Wireless Communications Association)のカンファレンスで、「WiMaxの市場は今後5年間に大きな成長を遂げ、過去2年間のWi-Fi市場と同じような活況を呈するだろう」と語った。「光ファイバーなら理想的だが・・・しかし敷設にかかるコストが、例えばサンフランシスコの場合、1平方フィートあたり300ドルと高い。このため、ラストマイルをつなぐ技術は(有線のブロードバンド回線から)無線を利用するものにシフトする」(Maloney)
昨年1月に無線通信規格802.16が認可され、67の企業が参加する業界団体WiMax Forumが、WiMax(Worldwide Interoperability for Microwave Access)の名のもとに、この規格を推進している。WiMaxのネットワークは、最大70Mbpsのデータ転送速度で、最大30マイル離れた場所まで電波が届く。
WiMaxは、xDSLやCATV経由のブロードバンド接続に代わる、安価な接続手段になると見られている。無線インフラの設置にかかる費用が、有線の場合に比べて最小限で済むというのがその理由だ。有線の場合には、ケーブルを敷設したり、建物を一部取り壊したり、道路を掘り返したりする必要があり、どうしてもコストがかかってしまう。
一方、WiMaxもまだ現実のものとはなっていない。この技術をベースにしたチップもまだ手に入らない状態だ。しかし、ベンチャーキャピタルの資金はWiMax分野に流れ込んでおり、メーカー各社は需要に応えるべく準備を進めている、とMaloneyはいう。
Intelは、今年後半にWiMaxチップの出荷を開始するとみられている。同社は802.16d規格対応のチップを製造するが、この規格はアンテナへ高速無線接続するためのものである。
WiMax用屋外アンテナの設置は2005年前半に開始され、また屋内用のアンテナ設置は同年後半に始まる見込みだ。携帯用の無線規格802.16eに対応するWiMaxチップ搭載機器は、早ければ2006年に発売になる可能性がある。802.16e用チップは、無線機器とWiMaxのアンテナ間で、直接通信ができるようにするものだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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