ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN、山本泉二社長)が10月23日に発表した03年度(04年3月期)中間期の連結決算は、売上高が前年同期比1.9%減の190億1400万円、営業損益が4億6300万円の赤字(前年同期は8億9600万円の黒字)、経常損益が4億1200万円の赤字(同7億1300万円の黒字)、当期純損益が3億8400万円の赤字(同7600万円の黒字)と減収減益になった。
売上高が減少したのは、売上構成比で82.0%を占める接続サービス事業の売上高が前年同期比4.2%減の155億8400万円と下がったことが大きい。山本社長は、「ADSL料金の値下げや無料サービスキャンペーンなどを行ったことが売上減に影響した」と述べた。会員数は、昨年9月末時点で229万人だったものが、今年9月末時点で228万人と昨年より1万人減っているものの、ブロードバンド会員数が前年同期比53%増の49万人と増えていることにより、「ナローバンド会員の減少でオペレーションコストが改善している」としている。
赤字になったのは、第1四半期に引き続き、ブロードバンド会員増加に向けて販売プロモーション費を増加したことが要因。販売費および一般管理費は、昨年度中間期の72億1800万円から76億3500万円と増加した。第2四半期では、会員の獲得に6億7000万円のコストがかかり、「プロバイダ間の過剰な競争が早く終息して欲しい」と漏らすものの、「競争が激しいなか、今はブローバンド加入者数を増やしていかなければならない」と強調した。
加入者増については、提携企業の有線ブロードネットワークスが光ファイバー提供エリアを拡大したことや8月に戸建てコース新設したこと、中部電力が「So-net光(TEPCO)」の料金を値下げしたことなどで、「サービスのラインアップが拡充した」と、FTTH加入者の獲得に力を注いでいる。
第2四半期の連結決算は、売上高が前年同期比0.3%減の96億9100万円、営業損益が1億8700万円の赤字(前年同期は7億600万円の黒字)、経常損益が1億1000万円の赤字(同5億9100万円の黒字)、当期純損益が1億5500万円の赤字(同1億5500万円の黒字)となり、第1半期と比べ赤字幅は縮小した。
なお、通期の連結業績見通しは、今年7月23日時点で売上高が400億円、営業損失が15億円、経常損失が17億円、当期純損失が1200億円と見込んでいたものを、当期純損失が600億円に改善する見通しを示した。子会社であるレーベルゲートの第三者割当増資によりSCNの出資割合が減少し、第3四半期において特別利益として約6億円を計上するため。
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