米Cingular Wirelessは、同社の携帯電話加入者がYahooのインスタントメッセージングサービスを利用するユーザーと、文字メッセージの交換ができるようにするサービスを提供する。Web業界の巨人Yahooは、その影響範囲をPCを越えてさらに拡大させたことになる。
Cingularが5月29日に発表したところによれば、今回のサービスはCingular、Yahooの両加入者ともに追加料金なしで利用可能だという。全米No.2の携帯電話キャリアCingularの利用者は、メッセージ1件あたり10セント、もしくは2.99ドルで100件、9.99ドルで500件のいずれかの利用料金で今回のサービスが利用できることになる。
Yahooは、以前にも同様な携帯電話とのメッセージ交換を行うサービスを提供している。同社は2002年11月、Yahoo Messengerのクライアントに「Mobile」ボタンという、AT&T Wirelessの携帯電話にメッセージを送信する機能を追加している。この機能は「PC phone calling」ボタンの代わりに導入され、現在でも利用可能なものだが、あまり広く認知されていない。今回のCingularのサービスでは、PCや携帯電話に特別なソフトウェアを導入する必要はなく、PC側のユーザーはスクリーンネームの代わりに10桁の電話番号をアクセス先として使用すればいいようになっている。
Yahoo以外では、America Online(AOL)やMicrosoftのMSNといった業界の巨人が、同様に携帯電話キャリアとのインスタントメッセージ交換サービスについて合意している。インターネット企業にとってみれば、携帯電話キャリアはそのリーチをPC以外のものに拡大する大事なパートナーだ。
これらの企業は、まだ伸びる可能性を秘めた携帯電話のショートメッセージに依存する部分が大きい。米国のテレビで放映中の人気オーディション番組「American Idol」のような番組で、ショートメッセージによる投票を募集したりなど、大々的なマーケティング戦略によってトラフィックを増やしている。だが、5対1の割合で携帯電話によるインターネット接続ユーザーのほうが多い欧州やアジアのような地域では、すでに1日に何十億ものショートメッセージが飛び交っている。
米国におけるPC側のインスタントメッセージ利用者の数は膨大で、それらは携帯電話ユーザーと結びついていくだろう。だが、そこにはコストの問題がある。いくつかの米国キャリアでは、ショートメッセージ送受信のたびにユーザーに課金している。一方で、今回のCingularとYahooの例のように、PC側から携帯電話にメッセージを送信する場合には無料となっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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