昨年7月に経営破綻し、現在、米破産法11条適用のもと再建中の米MCI(旧称WorldCom)が、破綻の引き金となった粉飾決算に関して、5億ドルの和解金を支払うことで米証券取引委員会(SEC)と暫定的な合意に達した。
MCIはかつて、大手インターネットプロバイダーとして莫大な収益をあげていた。しかし2002年に巨額の粉飾決算が明るみに出ると、株価は下落。役員は重罰を課される状況にまで追い込まれ、結局、米連邦破産法11条の適用を申請し、SECが調査に乗り出す事態となった。
同社は、昨年11月に経営最高責任者(CEO)として迎え入れた米Hewlett-Packard(HP)元社長のMichael Capellasのもとで、和解金5億ドルでSECと交渉を進めていた。本来の和解請求額は15億ドルだが、SECが破綻状況などを考慮した結果、その3分の1にあたる5億ドルで合意に至った。
今回の合意はあくまで暫定合意であり、正式な合意には裁判所と破産裁判所の承認が必要だ。和解金は「同社の不正により被害を被った人々」に分配される予定だという。
MCIは、「米連邦破産法11条の適用から更生する予定の今年秋に和解金を支払う」と語り、「今回の和解は再建が順調に進んでいることを示すものだ」と付け加えた。
MCIのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼相談役のMichael Salsburyは、今回の和解について「SECの調査に協力し、過去の責任を受け止め、優良企業モデルとしての再建に注いできた当社の努力が認められたものだ」と述べた。
しかし、MCIとSECが5月19日に発表した今後の見通しは明らかに異なっている。MCIは今回の和解が「粉飾決算に関するSECの申し立てを全て解決するもの」と結論づけたのに対し、SECは「WorldCom時代の粉飾決算に関する調査は、現在も継続している」と述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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