マイクロソフトは11月25日、26日の2日間に渡り「The Microsoft Conference + Expo Tokyo」を東京都内にて開催、1日目となる25日の基調講演で同社 代表執行役社長の樋口泰行氏が「このカンファレンスはマイクロソフトのクラウドへの真剣度を見せるためのイベントだ」と述べ、同社の提供するクラウド関連製品についてデモを交え説明した。
基調講演の中で樋口氏は、2011年1月より「Microsoft Dynamics CRM 2011日本語版」のオンライン版となる「Microsoft Dynamics CRM Online日本語版」を市場に投入すると発表した。このオンライン版のバージョンは、オンプレミス版よりも先のバージョンとなり、「オンプレミス版よりもオンライン版が先にリリースされるのはマイクロソフトとしても初めてのこと。これは、われわれがオンラインサービスに真剣に取り組んでいることの表れだ」とした。
Dynamics CRM Onlineのデモでは、Microsoft Officeなどのデータとの連携はもちろん、競合となるSalesforce.comの顧客データからも移行が可能であることや、1ユーザーあたりの月額料金が4660円と安価な点をアピールした(Salesforce.comでは、標準的なProfessional版で1ユーザーあたりの月額料金が7875円となる)。また、マイクロソフトと帝国データバンクが協業し、帝国データバンクの企業情報データベースとDynamics CRM Onlineを連携させた顧客管理サービスを提供することも同時に発表。さらに、国内のパートナー58社がすでにDynamics CRM Online対応のソリューションを提供すると表明していることも明らかにした。
米Microsoftでは、同じくオンライン版のオフィスソフトウェアして「Office 365」を10月に発表したばかり。今回の基調講演ではOffice 365のデモも行われ、同様のサービスとなるGoogle Appsに対しての優位性をアピールした。例えば、Office 365に含まれるOffice Web Appsではブラウザ上にExcelファイルをドラッグ&ドロップするだけで、ローカルPC上でのファイルと全く同じ状態でデータが展開でき、操作性もデスクトップ上での作業と全く変わらない点が強調され、一方のGoogleドキュメントではExcelデータが完全には再現できず、操作性も大きく変わることが示された。
また樋口氏は、同日より開始する「Hyper-V Cloud」プログラムについても説明、国内パートナーと連携し、顧客のプライベートクラウド導入を支援するとした。
樋口氏は、「いまや日本でも英語を公用語にする企業が登場し、これまでのようにあうんの呼吸だけではグローバルコミュニケーションの基盤が築けなくなっている。リストラのように守りの姿勢のみならず、攻めの戦略で収益を確保するためにも、グローバル経営の基盤が重要になってくるだろう。マイクロソフト日本法人としては、日本の顧客のグローバル展開を支援したい。そのなかで、われわれが提供するパブリッククラウドだけでなく、顧客のプライベートクラウドやパートナーのパートナークラウドへのニーズにも応えていきたい」と述べた。
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