ニューヨークを拠点とする新興企業のdrop.ioは米国時間10月29日、Facebookが同社の資産の大部分を買収したとブログで発表した。drop.ioのサービスは、ドラッグアンドドロップ式のインターフェースを用いて好きな時に非公開でファイルを共有できるもので、電話やファックスを使ったデータ共有という追加オプションもある。
drop.ioの創設者であるSam Lessin氏はフルタイムの従業員としてFacebookに加わる。一方、drop.ioのサービスは閉鎖される予定で、今回もFacebookにメリットをもたらす「買収による雇用」が実現した形だ。Facebookは創設者を主な狙いとして新興企業を買収し、新たに獲得した人材をFacebookにおける新機能の開発や既存機能の改善に役立てている。
drop.ioはブログへの投稿で次のように説明している。「われわれは今後数週間かけて、drop.ioサービスを段階的に縮小する予定だ。ユーザーは今週限りで無料のファイル共有ページを新規作成できなくなるが、12月15日までは既存のファイル共有ページからコンテンツをダウンロードできる。有料ユーザーのアカウントは引き続き12月15日まで有効で、通常通りサービスを利用し続けることが可能だ。12月15日以降は有料ユーザーのアカウントも廃止される」
Facebookとdrop.ioのつながりは深い。Lessin氏とFacebookの創設者であるMark Zuckerberg氏はハーバード大学の同窓で、Facebookの沿革を徹底的に描いたDavid Kirkpatrick氏の著作「The Facebook Effect」では、Facebook草創期におけるきわめて重要な人物としてLessin氏を描いている。同書の41ページには、「(2004年春の)学期末には、著名な投資家を父親に持つLessin氏がZuckerberg氏を連れてニューヨーク中を回り、金融業界およびメディア業界のベンチャー投資家や企業幹部らに引き合わせた」と記されている。
また情報筋によると、Facebookが2010年に8月にモバイル「チェックイン」サービスを手がけるHot Potatoを買収した際、エンジェル投資家としてHot Potatoに出資していたLessin氏が仲介役として尽力したという。今回のdrop.ioと同様、Hot Potatoは買収に伴って自社サービスを閉鎖し、同社の最高経営責任者 (CEO)を務めていたJustin Shaffer氏はFacebookに加わった。同氏は10月、Facebookで新しい「Groups」機能を発表している。
drop.ioは、資金調達のシリーズAラウンドでRRE VenturesおよびDFJ Gotham Venturesからベンチャー資金を獲得しているが、Facebookによる買収価格は明らかにされなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」