薄型テレビ市場がエコポイント効果もあり、依然として好調だ。現在のエコポイント制度に切り替わる直前の3月に“駆け込み特需”を迎えたものの、8月は販売台数ベースで前年同月比63.5%増、販売金額ベースで同19.4%増となっている。これはBCNが9月8日に発表した、「BCNランキング」の分析結果により明らかとなった。
薄型テレビ市場が好調である背景には、エコポイント効果のほかにも、リーマンショック以降の緊急事態が一段落したことが考えられるという。政府の発表によると、賃金指数が前年と比べてプラス圏を推移しており、消費総合指数も2010年に入り活発化しているという。BCNアナリストの道越一郎氏は、「これまでの“節約疲れ”から消費活動を一部再開している」と分析。ただし、「昨今の円高株安の流れが今後マイナスに影響する恐れもある」と付け加えている。
薄型テレビ全体の平均単価は4月以降下落傾向にある。主な要因として、平均単価の安い20型未満のサイズを2台目として購入する人が増えているからだという。実際に薄型テレビ全体を画面サイズ別でみると、20型未満は販売台数ベースで前年同月比98.6%増、販売金額ベースも同67.2%増となっている。
この2台目需要を「取りにいっている」(道越氏)というメーカーがシャープだ。8月のメーカー別台数シェアはシャープが46.4%でトップ。次ぐソニーが14.7%、パナソニックが14.5%、東芝が12.8%となっている。この4社のうちシャープの20型未満への注力は、8月の販売台数ベースで前年同月比2207.7%にも達している。
このほか道越氏は、2010年12月末が期限だったエコポイント制度が2011年3月に延長されることを受け、「年末商戦で販売ピークを迎える12月に終えるのは家電量販店などで混乱が予想されるため良くないと思っていた。だが、販売ピークは通常、3月と7月、12月に迎えるため、年度や会計上の都合だけでなく売れ行きをみながら終了すべき」と述べている。
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