中国のライドシェアリング企業Didi ChuxingとUber Chinaの合併が現地時間8月1日に発表されたばかりだが、合併の実現には程遠いようだ。中国の規制当局高官が、取引の進展に必要な承認が下りていないことを示唆したためだ。
両社による発表の翌日にあたる2日、中国商務部の報道官は、当局が本取引に関連する合併に必要な書類の提出を受けていないことを明らかにした。またこの報道官は、独禁法および合併に関する規定に該当する場合は、いかなる場合もその旨を商務部に事前申告しなければならず、申告がなければ合併を実施することはできないと述べたという。中国のニュースサイトSinaが報じた。
業界観測筋の見方では、今回の発言は、中国商務部が両社の合併に厳しい姿勢で臨む可能性が高いことを示唆していると、この報道は伝えている。
こうした中国商務部の声明に対してDidi側は、合併取引の金銭的条件が申告要件に満たない場合、当局の許可を得る必要はないと主張している。その理由として、DidiとUber Chinaの両社はまだ利益を得ておらず、また、Uber Chinaの2015年の純利益は4億元(約6000万ドル)未満であり、独禁法関連で当局による審査の対象に該当しないとしている。
2015年末時点で、Didiは中国における同社の市場シェアを80%超、Uberは30~35%としていた。
Didiが5月に発表した財務計画によれば、2015年の同ライドシェアプラットフォームの取引額は347億元(約52億ドル)に達している。Uber Chinaの2015年の利益は公表されていないが、Sinaの報道によると複数の専門家は、両社の市場シェアを考慮するとその利益は4億元という基準値を超えると推測しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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