AgIC、セメダインなどから総額1億7500万円を調達

 AgICは2月10日、Beyond Next Venturesが運用するファンドをリードとし、セメダインを割当先とする第三者割当増資により、総額1億7500万円の資金調達を実施したと発表した。

 今回の資金調達によりAgICは、今後成長が期待される産業用途でのプリンテッドエレクトロニクスソリューションの展開を進めるべく、人材の拡充と生産設備の開発を強化する。

 また今回の調達にともない、経営体制の強化を目的として、Beyond Next Ventures代表の伊藤毅氏を社外取締役に新たに迎えた。また、セメダインとはプリンテッドエレクトロニクス技術の開発、市場開拓に関しての協業を推進する。

 プリンテッドエレクトロニクスとは、これまで主にエッチングなどの方法で製造されていた電子回路や電子デバイスを印刷技術により製造する技術。低コスト化、省資源化、軽量化、製造の柔軟性の増加などが期待されており、応用先はスマートホーム、ディスプレイ、ウェアラブル、自動車、航空機など多岐にわたる。2024年までに750億ドルの市場になると予想されているという。

 AgICでは、厚さ約0.1mmのプラスチックフィルムの上にインクジェット印刷で電子回路を形成することで、これまでの電子回路より薄くて軽く、柔軟で、サイズの制限がないなどの利点のある電子回路製造を実現している。

 実用例としては、ポスターの裏に電子回路を埋め込んだ、「触ると光るポスター」「スマホと連動するポスター」など、従来アナログ媒体であったポスター広告をデジタル広告化するという用途で活用され、実際に映画のポスターなどさまざまな場所で利用されている。また、厚さ約0.1mmの床暖房シートなどスマートハウス領域に注力するという。

床暖房シート
床暖房シート

 同社は、積極的にパートナーシップを拡充しており、今回資本提携したセメダインに加え、三菱製紙とも前回ラウンドで資本提携を実施。さらに大型インクジェットプリンタの製造販売を手掛けるミマキエンジニアリングとも協力関係を構築するなど、各パートナーと連携しつつ事業を進めているとのことだ。

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