グーグルの2015年を振り返る--改組とイノベーションの継続を色濃くした1年 - (page 3)

(5)2016年の注目は、アクセスライン

 Googleの取り組みで注目しているのは、いかにインターネットにアクセスするかという手段に関する話だ。Googleは、成層圏の気球によってインターネット接続を確保する「Project Loon」を推進していることで知られている。

 インターネットが接続できないとGoogleのサービスが利用できない、という単純な問題点を解消するための取り組みで、Facebookもインターネット回線確保に関する取り組みをInternet.orgを通じて行っている。

 Googleのインターネットへのアクセスラインに関する取り組みは、ネットが通じていない地域に留まらない。米国ではギガビット級のインターネット回線を提供するGoogle Fiberのプロジェクトが進んでおり、2015年は3都市にまで拡大、加えて6都市で準備中だ。

 300ドルの初期コストを支払えば、5Mbpsまでのインターネット回線を無料で利用できる。1Gbpsの回線契約は月額70ドルで、1年以上契約すれば300ドルの初期コストはかからない。1Gbpsという回線速度は、未だにケーブルやDSLも主流の米国では、夢のような環境だ。

 また、モバイルアクセスについても、Project Fiと呼ばれるサービスが始まった。GoogleによるMVNOで、米国での回線はSprintとT-Mobileを利用する。これにGoogleが認証を取っているWi-Fi接続を加え、ユーザーがいるその場所で最も快適な回線を自動的に選択する仕組みを備えている。

 料金プランについても、毎月使い切れなかったデータについては、100Mバイトあたり1ドル分の換算で返金されるなど、新しさが目立つ。

 例えば、日本でも、Project Fiと提携するキャリアが現れれば、どの国でも地元のキャリアを使っているような、国境を越えた新しいモバイルサービスに発展していく可能性が高い。

 現在はGoogleのNexusブランドのスマートフォンのみ、Project FiのSIMカードを利用でき、米国内でも招待制のサービスであるため、まだ大きな勢力にはなっていない。ほかのGoogleのアクセスラインに関するプロジェクトとともに、注目すべき動きといえるだろう。

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