ドイツのエンタープライズソフトウェア企業SAPが現地時間6月5日、スイスのEコマース技術企業Hybrisを買収すると発表した。
買収の条件は明らかにされていない。Hybrisは現在、カリフォルニア州パロアルトに拠点を置く投資会社HGGCが最大出資者となっている。
Hybrisのソフトウェアスイートは、ウェブとモバイル端末の両方に対応し、検索及びマーチャンダイジング、マスターデータ管理、注文管理、ウェブコンテンツ管理などをサポートしている。つまり、小売や製造、ソフトウェア及びサービス、メディア、通信といった各セクターのニーズに特化した機能を提供し、ビジネスユーザーが顧客の全体像を把握することを助ける製品となっている。
Hybrisの価値提案は、現在利用されているどの製品よりも統合度が高く、迅速で低価格な点にあり、しかも顧客の側から見ても一貫性のある体験を提供できるという。Hybrisでは、同社のシステムは3~4カ月で立ち上げと稼働が可能だとしている。同社の既存の顧客には、3M、ニコン、ブリヂストン、Proctor and Gamble(P&G)、Thomson Reutersなどの企業が名を連ねる。
もちろん、こうした強みは「最も成功しているビジネス(Best-Run Business)」を支援するというSAPのモットーに合致し、同社が体現したいと考えている未来、すなわち「モバイル、クラウドベース、高成長」という3つの要素も備えている。SAPは、同社より規模が小さいHybrisを、オンプレミスとクラウドのどちらでも導入可能な「オムニチャネル」プラットフォームによってエンタープライズ向けコマース製品を強化する手段と考えている。
一方、HybrisにとってSAPの傘下に入る利点は、さらなる成長と規模である。
Eコマース技術は現在370億ドル規模の市場で、より広範な小売業界の2倍の速度で成長を続けていると推定されている。
今回の買収手続きは2013年第3四半期に成立すると見られる。SAPによると、Hybrisは、SAPの独立部門として稼働し、現在の経営陣が引き続き事業運営を担うという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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