Googleは、特許ライセンス管理団体MPEG LAとの間で、ビデオ圧縮に関する特許についてライセンス合意に達した。Googleの「VP8」ビデオコーデックとそのストリーミングビデオプラットフォームである「WebM」は、さらなる普及に向けて道が開かれた。
この合意により、VP8やすでに開発中で今後登場する「VP9」コーデックで使われている技術をサブライセンスする権限がGoogleに付与される。MPEG LAはまた、VP8特許プールを形成する取り組みを破棄することにも合意した。この特許プールは、同団体が保有するビデオ特許のクロスライセンスを可能にする狙いであった。
合意に関する財務面の条件は明らかにされなかった。
Googleの特許担当次席法務顧問を務めるAllen Lo氏は声明で、「VP8を広範に採用されるウェブビデオフォーマットとして確立したいGoogleの取り組みにとって、今回の合意は重要なマイルストーンだ」と述べ、「実現に向けたMPEG LAの協力に感謝する」とした。
VP8コーデックとVP9コーデックはもともと、Googleが2010年に1億2300万ドルで買収したOn2 Technologiesで開発されたものだ。Googleと協賛企業は無料で使える「Vorbis」オーディオコーデックにVP8を組み合わせ、「WebM」というストリーミングビデオテクノロジを開発した。
VP8の最大のライバルである「H.264」は、多数の企業がビデオカメラや「Blu-ray」ディスクなどで使用しており、これらの企業はコーデックの使用に対し特許使用料を支払っている。MPEG LAは、さまざまな規格に関するビデオ関連の特許を特許保有企業に代わってライセンス供与し、得られた特許使用料をこれらの企業に払い戻している。
GoogleはVP8を用いて、Web向けの高品質でパテントフリーのオープンソースビデオを作成しようと計画していた。しかし、MPEG LAが2011年に、VP8はパテントフリーではないと考えていると通告し、同団体の顧客に対し、GoogleのVP8テクノロジが特許を侵害していると思われる場合は知らせてほしいと正式に要請した時点で、Googleの計画は暗礁に乗り上げた。
VP8はH.264の優位性を崩せなかったが、今回の合意はGoogleのコーデックがMicrosoftの「VC-1」の二の舞にならないことを意味する。Microsoftが「Windows Media Player」ベースのビデオコーデックにかけた熱意は2007年、MPEG LAが独自の特許プールで対抗した時点で頓挫した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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