広告媒体としての有効性を証明するプレッシャーにさらされているFacebookは、広告の効果をクリック数で評価するのではなく、より大局的な観点に立つよう広告主らに呼びかけている。
FacebookはDatalogixとの提携に基づき、小売店からのデータによるコンシューマーの購買行動に関する調査を行った結果を示し、購買のほとんどはオンラインでのキャンペーン広告を目にした人々によってなされていたものの、それらの人々は必ずしも該当広告をクリックしていないと述べている。
Facebookの測定および洞察部門のトップを務めるBrad Smallwood氏は米国時間10月1日、ニューヨークで開催中の広告に関するカンファレンスにおいて、50種近くのデジタルキャンペーンを分析したこの調査について語った。なおFacebookは同日、同社ブログでもこの調査結果の一部を発表している。
同ブログによると、Facebook上の広告を目にしたものの、その広告をクリックしなかった人々が、購買者の99%を占めているという。Facebookはこの調査結果が、クリック数よりも、適切な顧客にマーケティングメッセージを伝える方が重要であるという事実を証明していると述べている。
当たり前に思える調査結果もある。広告がより多くの人々の目に触れれば、販売もそれに伴って伸びるというものだ。これはFacebookも指摘しているように、広告主がテレビ広告の効果を評価する方法となっている。Facebookによると、多くのマーケッターは、このことがオンライン広告には当てはまらないと考えているものの、同調査結果は彼らの考えが誤っていることを実証しているという。つまり、リーチを最大化した広告キャンペーンによって、平均すると70%高い投資対効果が得られたという。
さらにFacebookは、マーケッターらが広告の最も効果的な表示頻度、すなわち「スイートスポット」を見極めるべきであると述べ、「つまり、どのようなオンラインキャンペーンにおいても、投資対効果を最大化する最も効果的な広告頻度、すなわち『スイートスポット』があり、Datalogixのツールを使用することで、マーケッターたちはブランドやキャンペーンごとのスイートスポットを経験的に導き出せるようになる」というDatalogixへの賛辞へとつなげている。
Datalogixとの提携関係を締結するというFacebookの決定については、先週時点でプライバシーに対する懸念の声が上がっていた。Datalogixは、小売店のロイヤリティプログラムを通じて得られた電子メールアドレスなどのコンシューマー情報を、Facebookアカウントの開設時に指定された電子メールアドレスをはじめとするユーザーの身元情報とマッチングする。
高まる懸念に対して、Facebookは1日、広告を見た人々と見ていない人々に関するデータをDatalogixが集約するなかで、どのようにして情報の匿名性が保たれるのかについて同社ブログで説明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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