予想どおり、政府のAppleおよび電子書籍出版社に対する独占禁止法訴訟に関して、米司法省(DOJ)にコメントを提出した人々の大多数は書店経営者と作家だった。
DOJは米国時間7月23日、ウェブサイトに800件以上のコメントのコピーを掲載した。同省は4月、Appleと米国の大手書籍出版社5社を独占禁止法違反の疑いで提訴した。政府は、Appleと出版社が共謀して価格をつり上げ、Amazonなどの小売業者がそれに従うことを余儀なくさせたと非難している。
政府は提訴した出版社のうち、Hachette Book GroupとHarperCollins Publishers、Simon & Schuster(米CNETの親会社であるCBSが所有)の3社と和解に達している。和解条件の一環として、電子書籍出版社3社は、消費者に値引きを提供する小売業者の法的能力に「制約を課す」のを2年間止めること、「競争に関する機密情報」を競合他社と共有するのを5年間止めること、そして、「独占禁止法コンプライアンスプログラム」を施行することに合意した。
DOJはその和解に関して、一般の人々からのコメントを募っていた。
コメントを提出した多くの書籍販売業者は、政府は誤った当事者を攻撃しており、本当の元凶はAmazonである、と述べている。書籍販売業者はAmazonの略奪的な価格設定を非難しており、それによって多くの書店が廃業に追い込まれていると主張する。
コメントの中でカリフォルニア州南部にある創業117年の書店の代表であると名乗ったAllison Hill氏は、「エージェンシーモデル登場前にAmazon.comが電子書籍市場で90%のシェアを誇っていたことは、同社がそれを排除したいと考える理由を説明している。DOJが一企業の政策を超えた広い視野を持って、エージェンシーモデルは書籍業界全体、つまり出版社や独立系の書籍販売業者、Barnes & Noble、読者にとって実際には極めて重要であると認識してくれることを私は望んでいる」と書いている。
「A World Made of Fire」や「Crazy in Alabama」といった書籍の著者であるMark Childress氏は、「エージェンシープライシングモデルが実施されてから、Amazonの電子書籍市場におけるシェアが90%から60%に縮小したことを私は十分に認識している」と書いている。「いかなる裁定でも、わが国における文学上および政治上の意見を幅広く維持するうえで、健全な競争が不可欠であることを忘れないでもらいたい」(Childress氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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