米司法省は米国時間4月11日午前、電子書籍の価格を談合して引き上げたとしてAppleと複数の書籍出版社を提訴した。
提訴された出版社は、Hachette、HarperCollins、Macmillan、Penguin、Simon & Schuster。訴状はニューヨークの地方裁判所に提出された。
訴状によると、「Appleは、被告である出版社らが小売価格競争をしないで済むよう、全小売業者のエージェンシーモデルへの移行を促し、談合できるように計らった」という。
司法長官のEric Holder氏はその後、記者会見で、Lagardere SCA傘下のHachette Book Group、News Corp.傘下のHarperCollins Publishers、Simon & Schuster(注意:Simon & SchusterはCBSが所有する出版社。米CNET NewsもCBS傘下のCBS Interactiveが運営している)の3社が和解に合意したことを明らかにした。和解は裁判所によって承認される必要がある。
Apple、Macmillan、およびPearson PLC傘下のPenguin Groupは和解に応じず、法廷で争うことを選択したと米司法省は述べた。
Bloombergによると、AppleとMacmillanは、和解に向けた米司法省との話し合いに参加しなかったという。両社は、不正行為をはたらいていないと述べ、各社の合意により、Amazonの電子書籍事業との競争環境が改善したと主張する意向である。
今回の調査は、Appleが2年前に初代「iPad」を発売した際に、出版社らによる電子書籍の課金方法が変更されたことをきっかけに始まったようだ。従来は小売業者が書籍の販売価格を設定していたが、この時から出版社が電子書籍の価格を設定する「エージェンシーモデル」が採用された。
この価格モデルが確立するきっかけとなったのは、2010年に書籍出版社らがAmazonに対し、書籍の価格を引き上げるよう求めたことである。当時、Amazonは書籍を9.99ドル以上で売るのは高過ぎるとして方針を変えなかった。しかし、その後、MacmillanがAmazonで多くの書籍の販売を中止したことを受けて、Amazonは態度を軟化させた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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