サムスンは米国時間4月3日、デジタル広告技術の大手企業であるOpenX Technologiesと提携を結んだと発表した。サムスンとOpenXは、この提携により、広告主がモバイル広告枠をモバイル開発者とサムスンから直接購入できるようにする取引市場を創設する。この非公開市場を利用すると、広告主はより的を絞った対象に広告を届けられる。
サムスンにとってOpenXとの提携は、自社製品での広告を可能にする既存戦略を拡張するものである。サムスンは2012年に入り、インターネットに接続された自社TV向けの広告を販売する「AdHub」を設立した。広告主は、AdHubを利用すると、サムスンの「SmartTV」を通じて3Dやビデオなどのインタラクティブな広告を家庭に届けることができる。OpenXとの提携でサムスンのAdHubは機能が拡張され、モバイルデバイスも対象となる。
サムスンの新しい取引市場は、Appleが展開している「iAd」という独自のモバイル広告取引市場によく似ているようだ。Appleによると、iAdは「iOS」との統合が容易なため、他の広告プラットフォームと較べ、アプリ開発者が収益を上げるために最適だという。
サムスンも同様の利点を開発者に売り込んでいる。この取引市場では広告在庫へのリアルタイムの入札が可能になる。サムスンによると、この方式は、アプリ開発者が広告収入を最大限に増やすために役立つだけでなく、より優れたコントロールで自らのアプリ内に表示する広告の品質を高めることを可能にするという。
サムスンのMedia Solution Centerバイスプレジデントを務めるDaniel Park氏は声明で、「サムスンは、開発者と広告主に対し、双方にとって有益となるソリューションを構築して力を与える。アプリ開発者はより多くの収益を実現することができ、広告主はマーケティング上の目標を達成することができる」と述べた。
広告主と開発者の双方に有益な環境を作り出すことに加え、サムスンもこの取引市場から収益を上げたいと考えている。これまでのところ、サムスンはOpenXとの提携の条件を公開していない。しかし、AppleのiAdから類推すると、他の広告プラットフォームを押しのけて広告主と開発者をこの取引市場に取り込むことは、言うほど簡単ではないかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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