Googleは、「Firefox 5」以降に対応するツールバーの提供を中止した。これを受けてMozillaは、支障が出るためにFirefoxのアップグレードを見合わせている可能性のあるユーザーへの対応に追われている。
Googleは米国時間7月19日、Google Toolbar Helpブログへの投稿で次のように発表した。「皆さんもご存知のように、過去数年間にわたり、ブラウザ分野では多くの革新が生まれた。Firefoxユーザーからすると、これまでFirefox版Google Toolbarが提供していた機能の多くは現在、すでにブラウザ本体に組み込まれている。そのため、Firefox版Google Toolbarは『Firefox 4』までのバージョンでのみ動作し、Firefox 5以降のバージョンではサポートしないこととした」
Mozillaは今後の対応策について選択肢を検討しており、この件に対処するための会議を開いた。
Firefoxのリリース担当マネージャーを務めるChristian Legnitto氏は、会議メモに「われわれは、Google Toolbarが利用できないことを理由に、Firefox 5以降にアップデートしようとしないユーザーが多数いる状況を把握している」と書いた。
Legnitto氏は、Mozillaには2つの課題があると指摘している。Google Toolbarが利用できなくなる旨をユーザーに周知することと、どのようなデータであれユーザーがこのツールバーを使って保存したすべてのデータを取り出せるよう支援することだ。
同氏は、「『Firefox 3.6.20』(コードフリーズは2011年8月1日)が、製品の変更に対応できる最も早いバージョンになる」とした上で、手を加えることによってMozillaは「ユーザーが(Firefox)5以降へのアップデートを入手する前に製品の変更を推し進めることができるだろう」と述べている。
Firefoxのアップデートは、同ブラウザ用のアドオンを提供する開発者にとってこれまでも常に問題となってきたが、6週間ごとに新バージョンを公開する高速リリースサイクルが採用されたことで、問題の本質が変化した。アドオンが動作を保証しているバージョンより新しいバージョンのFirefoxで、アドオンが対応していないことを示すメッセージが表示される可能性をできるだけ小さくするため、Mozillaは、動作上問題のないアドオンの互換性バージョン番号を自動で「強制的に更新」するようにした。
ただしこの措置は、Mozillaが「Add-ons for Firefox」で提供しているアドオンだけに適用されるもので、Firefox用Google ToolbarはGoogleが直接配布している。
Googleは、ブラウザのアップデート以外の要因がツールバーの提供を中止する決定につながったかどうかについて明言を避けている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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