モバゲータウン、オープン化は「大成功」--2011年1Qの売上は2.6倍に

永井美智子(編集部)2010年04月30日 20時19分

 ディー・エヌ・エー(DeNA)は4月30日、2010年3月期連結業績を発表した。モバゲータウンでのソーシャルゲーム関連売上が好調で、売上高が前期比1.3倍になった。2011年3月期はさらなる急成長を見込む。

 2010年3月期の売上高は前期比28%増の481億500万円、営業利益は同34%増の212億6500万円、純利益が同43%増の113億7100万円。2009年10月に開始したソーシャルゲームの売上が牽引した。

  • 売上高の推移

  • 営業利益の推移

  • 年度別に見た売上高と経常利益の推移

 1月にモバゲータウンのゲームAPIを使ったオープンゲームが投入されたことで、売上の伸びが加速した。 2010年3月期第4四半期(1〜3月)だけを見ると、売上高は前年同期比81%増の190億7300万円、営業利益は136%増の98億1900万円、純利益は241%増の48億8400万円と急伸している。利益率は51.5%にまで高まった。

 第4四半期におけるソーシャルゲーム関連の売上は100億6800万円。このうち、mixiモバイルに提供したゲームの売上高は7億円という。DeNAが内製した「怪盗ロワイヤル」などのゲームが牽引しているものの、オープンゲームも順調に伸びているとのこと。オープンゲームにおける1日あたりのゲーム内専用通貨消費高は、1月に比べて3月は5倍以上になっている。「オープン化の大成功が、第4四半期の最大の成果だ」とDeNA代表取締役社長の南場智子氏は胸を張った。

日本最大級のアクセスを誇るサイトに

 オープンゲームの投入で、アクセス数も伸びている。3月の月間ページビューは616億PV。ソーシャルゲームを投入した2009年10月に比べ、半年間で3倍近くに伸びた。「日本にあるサイトの中でも最大級の規模ではないか。DeNAの隠れた強みとして、ネットワークの構成を工夫し、安く安定的にアクセスをさばくインフラがある」と南場氏は話し、システムが対応できたことが成功の鍵であるとした。

 ソーシャルゲームはユーザー層の拡大にも貢献している。モバゲータウン会員の年齢構成を見ると、10代が28%、20代が42%、30代以上が30%と、成人の割合が高くなった。特に30代以上のアクセス数の伸びが大きく、1人あたりのPV数もほかの年代に比べて多い。「Facebookも30〜50代のアクセス数が圧倒的に多い。世界的に、年齢が高い方がソーシャルゲームを積極的に楽しむ傾向にあるのではないか」と南場氏は分析した。

  • モバゲータウンの売上高、会員数、月間ページビュー

  • オープンゲームの状況

  • モバゲータウン会員の年齢構成比と利用状況

 これまでモバゲータウンを牽引してきたアバターについても、ソーシャルゲームが需要を喚起していると南場氏はいう。ソーシャルゲームの世界観を使った3Dアバターアイテムの利用が進んでいるとのことで、「3Dアバターが現在は主軸になっている」(南場氏)。今春にはゲーム内で使えるアバターアイテムも登場する予定で、これによりさらにアバターの売上が伸びるとDeNAでは見込んでいる。

 2011年3月期の業績予想については、ソーシャルゲームの市場規模を予測することが難しいとして、第1四半期の業績予想のみ開示した。売上高は前年同期比161%増の230億円、営業利益は同251%増の110億円、純利益は同225%増の58億円を見込んでいる。

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